「ジャンプ」が取り逃がした大ヒット漫画家4人…「つまらない」と切られて今がある?
いま振り返れば「努力不足だった」と、大人なコメントも

●オダトモヒト(代表作:『古見さんは、コミュ症です。』)
「週刊少年サンデー」で連載中のコメディマンガ『古見さんは、コミュ症です。』は、累計発行部数は550万部を突破し、2021年にはアニメ化・ドラマ化されるなど、注目を集めている作品です。
作者のオダトモヒト先生は、「週刊少年サンデー」の巻末マンガ『サンデー非科学研究所』で、自身のルーツが紹介されていました。それによると、過去に「ジャンプ」に持ち込みをしたものの「つまらない」とバッサリ切られてしまったとのこと。他に持って行ったネームも「多分意味ないと思うけど見るわー」と言われるなど、かなりひどい編集に当たってしまったようです。
オダ先生のネームは『ジャンプスクエア』の編集には好評だったものの、結局「サンデー」で「これすごくいいです!」とかなりの評価を得たため、そのまま読み切りを「小学館新人コミック大賞」に応募して、見事大賞を受賞。その後、2014年に『デジコン』でデビューすることとなります。
そしてオダ先生は、2016年から連載の『古見さんは、コミュ症です。』で大ヒットマンガ家の仲間入りを果たしたのです。
●渡辺航(代表作:『弱虫ペダル』)
「少年チャンピオン」にて2008年から連載中の『弱虫ペダル』は、ロードレースを題材とした熱いスポーツマンガ。累計発行部数は2500万部を突破している大ヒット作です。
作者の渡辺航先生が本作でブレイクしたのは、30代後半のことでした。実は渡辺先生はその20年以上前の1986年、15歳にしてすでに集英社の第22回ホップ☆ステップ賞で佳作を獲得しており、そこから数えるとかなりの遅咲きです。
もともとは「週刊少年ジャンプ」の大ファンで、賞をとってからすぐにデビューできると考えていたという渡辺先生。しかし、その後も赤塚賞で佳作や準入選は果たすものの、結局「ジャンプ」での連載は叶わず、戦力外通告を受けてしまうのです。
渡辺先生は当時のことを「ただの努力不足ですよ」と語っています。「ジャンプ」から切られたという経験があってこそ、いまの『弱虫ペダル』があるのかもしれません。
(古永家啓輔)