『鬼滅の刃 無限列車編』第6話は体感5分! 「静」の新規カットが緊張感をかき立てる
2021年10月、アニメ『鬼滅の刃 無限列車編』がついにスタートしました。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の前日譚と追加エピソードを含む全7話が放送予定の今作。11月14日に放送された第6話「猗窩座」をレビューします。
BGM、エフェクト、演出すべてが最高峰の23分
2021年11月21日、TVアニメ『鬼滅の刃 無限列車編』の第6話「猗窩座」が放送されました。下弦の鬼・魘夢(えんむ)を討ち取ってから一転。炭治郎たちの目前に現れたのは、上弦の参・猗窩座(あかざ)でした。突如はじまる圧巻の戦闘シーンに、にじり寄る絶望。視聴者を釘付けにする、最高峰の演出がつまった時間でした。
●最高峰の戦闘シーンの演出
劇場ですでに観たのにも関わらず、第6話の濃密さにここまで圧倒されるとは……。誇張なく「体感5分」という言葉がぴったりな放送でした。
深夜の暗がりと煙のなか、ハッキリと光る目に映る格上の鬼の証たる「上弦」「参」の文字。敵なのに「キターっ!」と興奮せざるを得ない登場シーンの演出が心憎いです。優しい笑顔で炭治郎たちに話しかけていた煉獄が、一瞬で真剣な表情へ変わる点も、こちらの没入感・緊張感を一気に引き立てます。
そして、いくばくかの問答からついにはじまる戦闘シーン。青と赤の光の明滅とともに繰り広げられる最高峰の作画については、今さら語る必要もないでしょう。この戦闘シーンには作画以外にも、視聴者を引きつける演出が詰まっています。
なかでも目立つのは、猗窩座の登場以降の音楽による演出です。彼の登場や語り、戦闘態勢に入った時のエレキギターとテクノボイスが印象的な楽曲は、これまでの『鬼滅』楽曲でもかなり異質ではないでしょうか。原作未読の視聴者にも、十分に猗窩座の強さや圧倒的な力を分からせてくれる展開です。
対して、攻守入り交じるシーンへと移ると、楽曲が一転。ばかげた再生力と速さ、力、技で追い詰めてくる猗窩座に、命のやり取りを覚悟し飛び込む煉獄の、文字通り「決死」の決意がよく表れています。
戦闘中、煉獄の人に対する慈愛に満ちたセリフもぐっと来ますよね。第6話は煉獄の名言がこれでもかと飛び交いました。激しい戦闘シーンにも関わらず、音楽とセリフとさまざまな演出でこちらの涙を誘います。
●緊張感を引き立てる「静」の新規カット
第6話でハッキリと描かれた新規カットは、登場人物たちの表情がより引き立てるようなシーンが多かったです。頸を切られた魘夢の苦しみ、猗窩座を見つめる炭治郎の驚きと焦り、煉獄・炭治郎を眺める猗窩座の余裕。
そして、物語は煉獄と猗窩座、炭治郎と伊之助の4人の引きの画でエンディングを迎えます。先程までの激しい戦闘から、一気に興奮を絶望へと冷ますようなシーンが追加され、ついに次話の最終話を迎えます。彼らの戦闘の行方、そして追加される新規カットを、じっくりと味わうように楽しみましょう。
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記
(サトートモロー)