マグミクス | manga * anime * game

『ドンキーコング64』がトラウマゲーと呼ばれた3つの理由「なぜか怖い」「難しすぎる」

2021年12月10日は『ドンキーコング64』の22回目の誕生日です。「ドンキーコング」シリーズ初の3Dアクションゲームとして100万本以上を売り上げた反面、リアルタイム世代からは「なぜか怖い」「難しすぎる」と話題に挙がった本作。この記事では3つの具体例を交えつつ、プレイヤーにトラウマを与えた理由を探ります。

シリーズ初の3Dアクションゲームはまさかのトラウマ量産機?

NINTENDO64用ソフト『ドンキーコング64』(任天堂)
NINTENDO64用ソフト『ドンキーコング64』(任天堂)

 スーパーファミコンの名作アクションゲーム「スーパードンキーコング」の後を継ぎ、1999年12月に発売されたNINTENDO64(以下、64)向けタイトル『ドンキーコング64』。美麗な3Dモデルを多用した本作は、「ドンキーコング」シリーズ初の箱庭型アクションアドベンチャー作品として累計売上100万本を達成。その後のシリーズ作品のいしずえとなっただけでなく、64向けタイトル群のなかでも一定以上の知名度を誇っています。

 しかし同時に、本作はリアルタイム世代のプレイヤーから「トラウマゲー」や「なぜか怖い」といった感想が多いことでも知られています。この記事では『ドンキーコング64』がトラウマゲーと呼ばれる理由について、具体的な実例と筆者の所感を交えながらご紹介します。

●最初から最後まで漂う薄暗い雰囲気

 シリーズ1作目から3作目まで横スクロールシューティング形式を貫いた「スーパードンキーコング」に対し、『ドンキーコング64』は箱庭ステージが舞台の3Dアクションゲームとして生まれ変わりました。この変更に伴い、シリーズおなじみの「ドンキーコング」や「ディディーコング」といった各キャラクターのグラフィックも、ドット絵から3Dモデルへチェンジ。ビジュアルの変化を伴いつつ、明るい雰囲気で各ステージを意気揚々と駆け巡る……かと思いきや、肝心のゲームテイストはお世辞にも陽気とは言えませんでした。

 最序盤の「ジャングルアイランド」をはじめ、廃業となった工場内部で壊れた機械に襲われる「マッドファクトリー」、闇夜にそびえ立つ古城が不気味さをかもし出す「ゾゾゾ~キャッスル」などなど、ステージの大半がなぜかホラーテイストへ偏っており、同時に雰囲気も薄暗い。それでいて凶暴な敵キャラクター(キングクルールの配下)の存在感もプレイヤーの恐怖心を否応なくあおってきます。

 筆者が特に「怖い!」と感じたステージは、序盤で訪れる「アステカウインド」。このステージでは遺跡内のゴールデンバナナ(回収アイテム)を手に入れると、かすれた「Get Out」という警告音声とともに、何者からか画面内のキャラクターへ照準を向けられてしまいます。当然、そのまま突っ立っていると攻撃されてしまうため、遺跡内から早急に立ち去らなければなりません。被ダメージ量こそ大したことはないものの、得体の知れない何かに退去を迫られる緊迫感は相当なものでした。

●見落とすと命取り! 苦行すぎるアイテム集め

 全体的に薄暗い雰囲気が漂い続ける本作ですが、しっかりエンディングを目指すとなればさらなる障壁が立ちはだかります。その最たるものが「アイテム集め」。各ステージで特定の場所に置かれているゴールデンバナナはもちろん、ステージボスにたどり着くためのノーマルバナナ集めがとにかく大変でした。各カラー(黄色・緑・赤など)に対応したキャラクターでないと拾うことができないので、「ステージを歩き回ってバナナの場所と色を覚える」→「所定の場所でキャラクターチェンジ」→「先ほどの場所へ舞い戻ってバナナ回収」という作業をステージごとにこなす必要がありました。

 そして、本作のラスボス「キングクルール」にしようものなら、アイテム集めの条件は一気に厳しくなります。それまでのステージで集めたゴールデンバナナに加え、「クラウン」・「レアコイン」・「N64コイン」といった収集アイテムを手に入れておかないと、ラスボスと出会うことすらままなりません。

 クラウンは対モンスター戦闘メインのミニゲーム「バトルアリーナ」、レアコインとN64コインは特定ステージに置かれたアーケードゲームにて条件を達成するともらえますが、ゲーム内で「ラスボスと戦うためには各コインが必要」という説明は一切ありません。そのため、何も知らずにゲームを進めてしまうと大ピンチ。クリアしたステージをもう一度くまなく探し回る羽目になり、エンディングを目前に控えたプレイヤーの高ぶりが一気に削がれる原因にもなりました。

●本編以上に難しい? マッドファクトリーの『ドンキーコング』

 本作のステージ内で遊べる2つのアーケード筐体。そのうち、あまりの高難易度で多数のプレイヤーを泣かせたといまだに語り継がれているのが、初代『ドンキーコング』を移植した「DKアーケード」です。こちらは1981年にアーケード筐体として稼働を始めたものとほぼ同じ内容です。しかし「タルや敵キャラクターをかいくぐって画面上のゴールを目指す」という流れこそ踏襲しているものの、プレイヤーに許された残機数はたったの1しかありません。ライフはアーケード版の3機よりも少ない、その上で一回も倒されることなく2周クリアを求められたのです。

 ちなみに、初代『ドンキーコング』の2周目は1周目よりもゲームスピードがアップしており、ある程度ゲームに慣れた状態でも安定したノーミスクリアは困難。こうした厳しい条件に飲まれてしまったのか、キングクルールを倒すためのコイン集めに来たはずなのに、「そもそもDKアーケードをクリアできない」といった前代未聞の窮地に立たされるプレイヤーが少なくありませんでした。ちなみに、もう一方のアーケード筐体『JETPAC』のクリア条件はそこまで難しくなく、スコア稼ぎの方法さえつかめば突破にそこまで時間はかかりません。この仕様も相まってか、DKアーケードは本作屈指のトラウマスポットとして話題に挙がっていると考えられます。

(龍田優貴)

1 2