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『鬼滅の刃』母性本能をくすぐる冨岡義勇の言動4選 水柱としての成長に胸を打たれる!

『鬼滅の刃』に登場する水柱・冨岡義勇は、どんな時も冷静沈着な優れた鬼殺隊士ですが、無口すぎて表情も乏しいため、同僚である柱たちからも誤解されがちです。ついつい心配になって母性本能をくすぐられ、義勇に沼落ちするポイントとなる5つのシーンをご紹介します。

「心配になる」のが母性本能をくすぐられるきっかけ?

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

『鬼滅の刃』に登場する水柱・冨岡義勇は、どんな時も冷静沈着な優れた鬼殺隊士です。ただ、無口すぎて表情も乏しいため、同僚である柱たちからも誤解されがちで心配になるほど……。

 実はこの「心配になる」ところもまた、義勇の魅力のひとつであり、母性本能をくすぐられる「沼落ちポイント」とも言われています。この記事では、義勇に母性本能をくすぐられる5つのシーンをご紹介します。

※この記事には、『鬼滅の刃』でまだアニメ化されていないシーンについての記述があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。

●母性愛は蟲柱・胡蝶しのぶとの名シーンで生まれる?

 那田蜘蛛山での戦いでは流麗な技で下弦の伍・累(るい)を倒した義勇ですが、炭治郎と鬼にされた妹・禰豆子の処遇を巡って、遅れて駆けつけた蟲柱・胡蝶しのぶと対立します。

 鬼にされた妹・禰豆子を連れている炭治郎を庇った義勇に対して、「鬼とは仲良くできないって言ってたくせに何なんでしょうか そんなだからみんなに嫌われるんですよ」とキツイ言葉を浴びせるしのぶ。それに対して、「俺は嫌われてない」と、冷静に返す義勇……。

 状況としては、鬼滅隊の最上級剣士である柱同士が剣を向け合う非常事態です。しかも鬼をかばうという義勇の行動は隊律違反を責められて当然であり、説明責任もあります。

 そういうところを全部すっ飛ばしての「俺は嫌われてない」という義勇の言葉に驚きつつも、彼のほんのわずかに不満を含んだ表情に庇護欲をかきたてられて、キュンとしてしまった人もいたのではなでしょうか? 「大丈夫! 私がいるから!」と。このキュンが次第に母のように大きな愛へと変わっていくのです……。

●自分の代わりに死んだ人たちへの思い

 鬼の始祖、鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)との最終決戦に向け、柱より下の階級の隊士たちが柱のもとを訪れて稽古をつけてもらう合同強化訓練「柱稽古」が始まることが決まりました。しかし、義勇は柱稽古には参加しないと言い、弟弟子である炭治郎にすら稽古をつけてくれないと言うのです。お館様の命を受け、義勇にくっついて話しかけ続ける炭治郎に根負けした義勇が語ったのは、彼が鬼殺隊に入る以前のことでした。

 藤の花の山での最終選抜で、一緒に修行し、試験を受けたかけがえのない友に助けられ、自分だけが助かったこと、1体の鬼も倒さずに鬼殺隊の隊士になってしまったこと……。その事実はその後、鍛錬を重ねて実力で柱にまでなった後も義勇を苦しめていました。義勇の口からは、「俺は水柱になっていい人間じゃない」などと、ネガティブな言葉しか出ません。

 その言葉に涙を浮かべる炭治郎を置いて去ろうとする暗い瞳をした義勇の姿に、母性が発動されます。力いっぱい抱きしめてあげたい、温かい食事でお腹を満たしてあげたい、お風呂にゆっくり入らせるのでもいい、フカフカの布団で眠るまで見守ってあげたい、背中をさすってあげたい……。落ち込んでいる子供に、どうにかして「あなたが大切」「ありのままのあなたでいい」と伝え、その心を軽くしてあげたいと思うのは母の性だからです。

●覚醒した義勇を誇らしく思う瞬間

 ただ強く頼りになるだけではなく、ナイーブで不器用な面もあり、つらく悲しい過去を背負いながら、それをなんとか押さえ込んで戦いの場に立っている義勇。読者や視聴者が彼を応援したくなるのは、そんな感情移入しやすい要素がありながら、時おり見せる空気を読まない(読めない)ど天然ぶりのかわいらしさに、母性本能をくすぐられるからでしょう。

 無限城で上弦の鬼と戦う「限(ぎ)り限(ぎ)りの命の奪(と)り合い」なかで、義勇は「短時間で感覚が鋭く研磨される」のを体感した時、義勇の身体には、各段に力が向上するという痣(あざ)が浮き上がります。

 ここまでの義勇に対して母のような気持ちを持って応援してきたファンにとっては、いろんな悲しみや苦しみを乗り越え、真の意味で覚醒の時を迎えた義勇を誇らしく思う瞬間ではないでしょうか。

 そして、死を覚悟した無惨との戦いでは、「水柱として恥じぬ戦いを!!」と、義勇の柱としての自覚と覚悟に目頭が熱くなります。

●心の成長を感じる穏やかな微笑み

 最後に開かれた柱合会議(ちゅうごうかいぎ)の場では、義勇の心の成長を感じることができます。それまでのストーリーでの柱合会議では、炭治郎と禰豆子の処遇について他の柱とは異なる意見を通し、最終決戦の直前に開かれた柱合会議でも自分は関係ないと席を立つほどだった義勇。

 引け目を感じ、鬼殺隊に居場所を見つけられていなかった彼も、最後の柱合会議では風柱・不死川実弥と笑みを交わすほどになっていました。お互いに相容れなかったふたりの穏やかな笑顔に、悲しみや苦しみを乗り越えた心の成長を感じることができます。

 これでもう大丈夫……と、うれしいような、少し寂しいような気持ちになるのも、それまで母のような気持ちで義勇を大切に思い、応援してきたせいなのでしょう。あなたの母性をくすぐる義勇の言動は、どのシーンでしょう? 

(山田晃子)

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