猫の日に読みたい、「とがった設定の猫マンガ」3選 終末世界でも彼らは可愛い!
猫が主題のマンガといえば、かわいい猫たちに癒やされてモフモフ……な作品ばかりではありません。終末世界が舞台の作品や、社会派の作品など、新鮮でドキドキ、でもやっぱり猫はかわいい……そんなマンガ作品を、総合電子書籍ストア「ブックライブ」の「書店員すず木」が解説します。
斬新で「クセ強め」の猫マンガも
人を魅了し、メロメロにしてしまう存在、それが猫です。本日2月22日は、「にゃん・にゃん・にゃん」で猫の日です! 『みかん・絵日記』や『綿の国星』をはじめ、『チーズスイートホーム』『おじさまと猫』など、猫のかわいらしさや癒やしを堪能できるマンガはたくさんありますが、「猫×パンデミック」「猫×終末世界」など、一風変わった世界観の猫マンガもご存じでしょうか?
今回は、年間2000冊のマンガを読む、総合電子書籍ストア「ブックライブ」の「書店員すず木」が、「かわいい」だけに留まらない、クセの強さに魅了される猫マンガをご紹介します。
●猫に触れた人間が猫になる、パンデミック猫マンガ

もしも世界が猫に支配されたら……いっぱいのモフモフに囲まれて幸せ? いえいえ、この物語で描かれるのは、そんな生やさしい世界ではありません。
時は20XX年、世界では人類の90%が猫を飼っていました。そんななか、品種改良によって生まれた猫のなかに、「N・N」というウイルスを宿した特殊な個体が出現。そのウイルスは、なんと接触感染により人間を猫に変異させる性質を持っていました。これにより世界はあっという間にパンデミックに陥り、空前絶後の「猫災害」が始まります。
猫と接触するだけで、どんな屈強な男もそれはそれはかわいい猫になってしまうという、おそろしいウイルス……。そして何より悲しいことは、どれだけ猫がかわいくてたまらなくても、愛でることができないということ。顔をうずめることも肉球をプニることも許されない、猫好きにとっては悪夢のような状況です。人間が再び猫と共存できる世界は訪れるのか? 衝撃の猫SFマンガです。
●ゾンビがはびこる終末世界×猫マンガ

某海外ドラマを連想するタイトル名の通り、舞台はゾンビがはびこる終末世界。そこで偶然出会った猫のユキと、生き別れた妻をさがす旅をする八尋ジン。生存者が助け合って暮らしているという島の噂を聞き、八尋はユキとともにその島を目指すことにします。
「猫×終末世界」をテーマにしたマンガですが、作中にメインで描かれるのは猫というよりも人間の心の強さと弱さです。生きるために身を寄せ合い、お互いに助け合う一方で、自分が生き延びるために誰かと争ったり、裏切ったり、嘘を吐いたりする人間たち。そんななかで、人間たちをしり目に猫のユキだけが、我関せずといった態度でのびのびと、終末の世界を生きていきます。
はたして人類の運命はどうなるのか? しかしこれだけは言えます。世界がどんな状況になろうと、猫はいつだってかわいい……!
●猫と人間が共存する世界を描く、社会派猫マンガ

もしも猫が人間の社会に進出してきたら? 猫がホストとしてクラブで人間を楽しませたり、コスメ会社の社長になったりする世界を描いた、全8編の物語で構成されているオムニバスマンガです。どの物語も不思議な世界観で惹きこまれていきます。
「猫」と「人」をそれぞれ種族の違う生き物として描きながらも、「猫だからこう」「人間だからこう」と決めつけをせず、お互い違う種族であることを認識したうえで、個を尊重することを大切だと教えてくれるマンガでもあります。
さまざまな性別や人種、バックグラウンドを持った人たちの集まりを示す「ダイバーシティ(多様性)」という言葉も最近よく聞かれるようになってきましたが、このマンガは「猫×人間」のやりとりを通し、多様性についての示唆を与えてくれます。
かわいい猫と人とのほのぼのストーリーかと思いきや、社会問題に鋭く切り込んでいたり、哲学的な要素が盛り込まれていたりと、奥の深い作品です。(もちろん猫もかわいいです)
以上、猫の日におすすめの猫マンガ3作品を紹介させていただきました。いずれも「かわいい」だけに留まらない、あらゆる猫の魅力が詰まったマンガです。読めばもっと猫が好きになるはず。
(総合電子書籍ストア「ブックライブ」書店員すず木)