『ドラゴンボール』不遇扱いナゼ? 愛されキャラなのに「出番無し」の魔人ブウ
ブウらしい戦いを見せたことは一度だけあった?

それでは、このままブウがふたたび活躍することはないのでしょうか? ブウが実際に戦った例をいくつか振り返って見ます。
原作マンガ後を描いた『ドラゴンボールGT』では、ベジータの身体を乗っ取ったベビーによってブウはバラバラにされ、純粋ブウの生まれ変わりであるウーブと一体化しました。これまでの作品内のパターンで言えば、融合合体していると格段にパワーアップしているはずですが、その後の戦いを見ると正攻法でベビーを圧倒するほどの力を得ていません。
劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』などでの破壊神ビルスとの戦いでは、相手にもならずに一方的に倒されています。もっとも、これはビルスが圧倒的に強いだけで、悟空ですら初戦で秒殺されているので仕方ありません。
そして『ドラゴンボール超』で唯一の戦いが、「力の大会」前に行われた「全覧試合」でした。ここでブウは第9宇宙の戦士であるバジルと戦っています。この戦いではバジルの攻撃を平然と受け、身体に穴が空いても瞬時に治るブウらしい特殊能力を見せていました。
前半はこのように余裕綽々で遊んでいたブウですが、観客席にいたサタンがバジルの攻撃でケガをすると一転、怒りだして本気を見せ始めます。そして、かめはめ波のような気功波でバジルを倒しました。
こうして振り返ると、ブウらしい戦いができたのは『ドラゴンボール超』の一度だけのようです。そして、ブウを生き生きと動かすにはサタンが不可欠かもしれません。
また、ブウの戦い方はコントを思わせるコミカルな動きが基本で、作品の主流である爽快でスピード感あふれるアクションとは対極にあります。その点もブウを作品で生かしづらい要因になっているのでしょう。
総括すると、ブウは単純に強くてかませ犬になれない点と、独特な戦闘スタイルが他のキャラと合わせられないということがわかります。ブウを使うならば、相応の舞台が必要になるということでしょうか。
たとえば今年公開された劇場版『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』では、孫悟飯とピッコロを中心に物語を進めるため、作品の最強戦士である悟空とベジータは地球から離れて大きな活躍のないまま終わりました。
つまり悟空やベジータも、ブウと同じく他のキャラと合わせられない難しさを持つようになったということです。そのため、劇場版前作『ドラゴンボール超 ブロリー』では、味方側の登場キャラをしぼっていました。
今後、アニメ化するかは不明ですが、マンガ版『ドラゴンボール超』ではブウが活躍することになる「銀河パトロール囚人編」というエピソードがあります。ネタバレ回避のために詳細は省きますが、これまで活躍してきた地球戦士が出てきて、そのなかでもブウは大きな活躍をしていました。
このようにブウが活躍するエピソードは可能なのですが、その存在の大きさから考えると中心に置くしかないでしょう。そう考えるとキャラとして使いづらいということは間違いありません。
(加々美利治)



