今も耳に残る「家電量販店のテーマソング」たち アニメとの意外なつながりが多い?
今はなき家電量販店も、印象に残る曲を発信
●「石丸電気の歌」
2012年までブランドとして存続していた石丸電気も、1970年代から2000年代にかけて盛んにTVCMを流しており、印象的なテーマソングでその名を知らしめていました。「石丸電気はあきはば~ら でっかいわー!」の歌詞を記憶している方も多いことでしょう。作詞・作曲は「キッコーマンの唄」など多くのCMソングを手掛けた桜井順氏ですが、補作詞として伊藤アキラ氏も参加しています。
バージョンごとに歌詞やボーカル、曲調がかなり変化するのも「石丸電気の歌」の特徴ですが、いずれも「石丸電気は秋葉原にあるでっかいお店」を明るく表現しており、多くの人が明るい未来を夢見て前向きに生きている時代を象徴する名曲です。
●「サトームセンCMソング」
2007年に事業を停止したサトームセンも、「あなたの近所の秋葉原 サトームセン」の歌詞が印象的なCMを盛んに放送していました。店舗でもしばしば流れており、往時の秋葉原駅近くでは石丸電気の歌とサトームセンCMソングが入り混じりカオスな空間を作り上げていたものです。
作詞は長澤ヒロ氏で作曲は伊藤アキラ氏が担当しています。このCMで最も特徴的だったのはクレイアニメを採用していた点であり、ジャガーを擬人化した「じゃがお(じゃがた)」と「じゃがこ」が激しく歌い踊る映像が製作されました。
ボーカルはサトームセンと記載されていますが、男女二人組であることは確認されています。また、『キン肉マン』や『宇宙刑事ギャバン』などさまざまなアニメ・特撮ソングを手がけた串田アキラ氏のバージョンも存在しており、氏のデビュー50周年を記念したベストアルバム「Delight」に収録されています。
(早川清一朗)