『チェンソーマン』5話、「マキマさんの性教育」にスタッフの本気! 重要キャラ登場に不吉さも
デンジとパワーの(主にデンジが)ドキドキなツーショットから始まった、TVアニメ『チェンソーマン』第5話。デンジへの実はすごくまっとうな性教育(?)から始まった本編は、アキの悲しい過去や新たなデビルハンターたちの登場、コメディからホラーとジェットコースター的に展開されていきました。
愉快さとクレイジーさ、ハラハラする想いが止まらない展開

2022年11月8日、TVアニメ『チェンソーマン』第5話が放送されました。前回、パワーから助けてくれたお礼として「胸をもませてやる」と言われたデンジ。ここからマキマさんとのツーショットシーンまで、約7分続く一連の展開は、制作サイドの力の入れ具合がダイレクトに伝わってきました。無骨なデンジの手つき、BGMのなかで聞こえるデンジの息づかい。「胸をもむ」という目的を達成したにも関わらず、虚無感に襲われるデンジに、繊細な指使いで性教育(?)を施すマキマさん。
このシーンで、マキマさんが伝えていることはすごく大切です。「デンジ君 エッチなことはね 相手のことを理解すればするほど気持ち良くなると 私は思うんだ」。このセリフは、暴力飛び交う本作の魅力とは別に、多くの人に伝わってほしいなと感じます。
デンジもまた、無教養で叶えたい夢も下ネタ全開ですが、女性を襲ってそれを達成しようとはしません。一連のシーンは、「デンジはバカで自分の欲求に正直すぎるけれど、いい奴ではある」という、彼の独特な魅力も垣間見ることができた気がします。
さて、こうしたドキドキ展開から、本編はいきなりシリアスなストーリーへと舵を切っていきます。作品におけるラスボス的存在、銃の悪魔について言及され、アキの悲しい過去が明かされました。この後の姫野先輩とのからみも相まって、回を重ねるごとにアキに対して感情移入したくなってしまいます。
ここからは、第2話のように作品の重要キャラが一気に登場しました。アキのバディ・姫野先輩、おどおどした薄幸系少女・コベニちゃん、真面目な男・荒井君。軽くネタバレになりますがお察しの方も多いように、『チェンソーマン』は、非常に簡単なきっかけで登場人物がサクサクと命を落とす作品です。キャラクターが増えると、普段は画面が明るくなって楽しいものですが、今作にいたっては「このうち何人が生き残るんだろう……」という不安しかありません。
たとえ登場人物が、コミカルな会話を繰り広げていようとも、まったく安心できないわけです。大人のキスを前に興奮し、下世話な笑みを浮かべるデンジを見ても、怯え続けるコベニちゃんを見ても、デンジとパワーの常軌を逸したイタズラに、怒り心頭なアキを見ても……。
案の定、悪魔が潜むホテルへと入ってからは、ホラー映画のような描写たっぷりに不気味なシーンが続くのでした。ある意味、『チェンソーマン』の中毒的面白さの要因が、凝縮された回だったかもしれません。
(サトートモロー)