メンタル疲れにはマンガが効く! キーワードは「青春時代」、いったいなぜ?
マンガ「自分のペースで読み進められる」
――マンガならではの良さとは。
文字情報だけでなく、画像などの視覚的な情報も同時に伝えるため、脳への負担が少ないのです。文字情報だけですと、想像力などをより多く使うため、脳への負担が大きくなります。また、マンガはテレビと比べて、自分のペースで読み進められるという利点もあります。
――そもそもなぜ、過去の良い記憶を懐かしむことが自己肯定感を高めるのでしょうか。
過去を懐かしむ行為、すなわち過去の良い記憶を思い起こすことを指す「ノスタルジア」は、脳の報酬系(快感を覚える部位)に作用します。報酬系が作用すると、一般的に自己肯定感が高まるのです。
――例えば、青春時代に夢中になったマンガ1冊を読むと、効果はどのくらい持続するのでしょうか。
これについては、具体的な回答を持っていません。ただし、脳は「馴化(じゅんか。環境に適するように体質が変化すること)」します。つまり、刺激に慣れてしまうため、読み過ぎない方が良いという考えもある一方、頻繁に接しても、それが良い感じに条件反射となれば、触れるたびに同様の効果が得られるようになります。
――過去の良い記憶ばかりを呼び起こしていると、現実に対する正しい認識ができなくなりませんか。
過去の良い記憶ばかりを呼び起こしていると、記憶を関わる「タウ・タンパク質」という物質が、老化とともに蓄積しやすくなります。このタウ・タンパク質が蓄積すると軽い記憶障害を起こすということを、理化学研究所が実験で明らかにしています。
――当時そこまで夢中にならなかったマンガでも効果はありますか。
当時はそうでも、改めて読んでみると違った角度で接することができますし、ポジティブな効果を期待できるかもしれません。「温故知新」という言葉もありますから、何か別の新しいものを知ることができるかもしれませんね。
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善は急げ。皆さんも身近なマンガで手軽にメンタルケアをしてみませんか。
(マグミクス編集部)