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ジオン軍の戦車「マゼラ・アタック」は欠陥だらけ 「空飛ぶ砲塔」は無意味でも功績はあった?

「欠点だらけ」でも無力ではなかった?

「正面にしか撃てない」構造でも、砲の威力は十分ありそうなデザイン。画像は「ROBOT魂 <SIDE MS> HT-01B マゼラ・アタック(ハードポイントシステム仕様)」(BANDAI SPIRITS)
「正面にしか撃てない」構造でも、砲の威力は十分ありそうなデザイン。画像は「ROBOT魂 <SIDE MS> HT-01B マゼラ・アタック(ハードポイントシステム仕様)」(BANDAI SPIRITS)

 多くの欠点を抱えているマゼラ・アタックですが、まったくの無力だったわけではありません。特にマゼラ・トップはザクIIで運用可能な砲への改造が可能で、クラウレ・ハモン率いるランバ・ラル残党部隊が使用していたのが確認できます。爆発物を満載したカーゴ用の砲台としても使用されており、特にハモンが搭乗した機体はガンダムの背後を取り、あと一歩のところまで追い詰めました。少なくとも至近距離であれば、ガンダムすら打ち倒す可能性を持つことが証明されたのです。

 マゼラ・ベースについては、ザクの上半身を組み合わせて、ザクタンクとして運用された事例が確認されています。おもに運搬・建築・回収作業用として使用されましたが拠点防衛に投入されることもあり、『機動戦士Zガンダム』ではエゥーゴによるジャブロー攻撃の際にその姿を見ることができます。

 OVA『機動戦士ガンダム第08小隊』に登場したマゼラ・アタックは、3両編成で運用されており、塹壕(ざんごう)に車体を隠して砲塔だけを露出して待ち伏せを仕掛け、周囲にスクラップを散らして欺瞞工作を行うなど工夫を凝らし、陸戦型ガンダム1機の脚部に損傷を与えることに成功しています。敵に攻撃を当てるシチュエーションさえ作れれば、十分戦力としては機能していたことがうかがえます。

 基本的にマゼラ・アタックは砲塔が飛ぶという珍奇な設計が目立つ兵器で、ガンダムをはじめとするホワイトベース隊に蹴散らされる存在でしかありません。しかし兵器が本来の運用意図を超えた形で流用されるのは現実の戦場でも十分起こり得る話であり、マゼラ・アタックの多種多様な運用には、追い込まれたジオン軍の切羽詰まった様子が想像できるのです。

 現実からはかけ離れた兵器であるマゼラ・アタックは、もしかしたら『機動戦士ガンダム』の世界に「リアル感」を加える重要な役割を担っているのかもしれません。

(早川清一朗)

【画像】シュール? 「マゼラ・アタック」の砲塔だけが飛び立つ瞬間(6枚)

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