ジオン軍の戦車「マゼラ・アタック」は欠陥だらけ 「空飛ぶ砲塔」は無意味でも功績はあった?
『機動戦士ガンダム』に登場したマゼラ・アタックは、砲塔部分が短時間飛行可能という斬新な特徴を持つ戦車です。戦車単体で活躍を見せることはほとんどありませんでしたが、砲塔はザクの携帯兵器や砲台へと転用し、車台はザクの上半身を乗せてザクタンクへと改造するなど転用されることが多く、作品にリアリティを加えていました。
砲塔の攻撃力は十分だったが、致命的な欠陥が?

『機動戦士ガンダム』に登場する主力兵器と言えば、当然モビルスーツ(MS)です。単騎での戦闘力を考えればモビルアーマーも該当するかもしれませんが、数があまりにも少ないため、戦場での主力になったとは言い難いものがあります。もしビグザムが量産されていたら、間違いなく主力となっていたとは思いますが。
さて、基本的にはモビルスーツ同士の戦いが描かれることが多かった「ガンダム」ですが、戦場にはモビルスーツ以外の兵器も数多く姿を見せていました。
なかでも、ジオン軍の主力戦車として頻繁に登場したのがマゼラ・アタックです。砲塔部分のマゼラ・トップは5分間の飛行が可能となっているのが最大の特徴で、おそらくは地球連邦軍の主力戦車である61式戦車の上面部分を、上空から狙い撃ちするのが目的だったと思われます。
主砲は175mm砲、もしくは155mm榴弾(りゅうだん)砲とされており、現実世界の日本で配備が進められている「10式戦車」に装備されている120mm滑空砲よりも口径は大きいものとなっています。使用される砲弾がわからないので威力についてはわかりませんが、少なくとも61式戦車を破壊できるほどの威力は確保されていると考えられます。
ただし、マゼラ・アタックは非常に多くの問題点を抱えています。まず飛行能力については、台座となるマゼラ・ベースが破壊されてしまった場合、燃料が切れれば不時着するほかなくなります。また飛行中は砲撃の命中率も大幅に低下してしまうのです。全高も13.4メートルと、61式戦車(5型)の3.9メートルと比較して10メートルほど高く、狙い撃ちの的になった可能性は高いでしょう。ミノフスキー粒子散布下での運用を想定していたのかもしれませんが、兵器としては極めて残念な要素が揃っていると言えます。
また、砲塔の回転ができないため正面に対する攻撃しかできないのは、致命的な欠陥と言えます。現実の歴史ではドイツが「III号突撃砲」のような回転砲塔を持たない戦闘車両を配備して戦果を挙げていますが、機動性の高いモビルスーツ相手を相手にした場合は厳しい戦いを強いられたのではないでしょうか。




