原作を「置き去り」に? 大幅な原作改変も大成功を収めたアニメ3作品
大人の事情って怖い…… 原作にない設定でヒットを狙いにいったアニメ

●『赤ずきんチャチャ』
1994年にTVアニメ化された『赤ずきんチャチャ』(作:彩花みん)は、月刊誌「りぼん」(集英社)にて1992年から連載された学園ギャグマンガですが、アニメでは大きく設定変更されています。
魔法使いのたまごであるチャチャのほのぼのとした魔法学校での生活を描くアニメ版は、マンガのギャグ要素を残しつつ、「チャチャが変身して敵と戦う」という原作にはないオリジナル展開が加えられ、「マジカルプリンセス」として描かれました。
この設定変更には、当時のスポンサーである玩具メーカーの意向が強く反映されており、女の子向けのおもちゃをヒットさせるための「大人の事情」が垣間見えます。ですが、『美少女戦士セーラームーン』をはじめとする当時の「変身ヒロインブーム」にうまく乗っかれたために、結果として無事に大ヒットをおさめました。
存在しなかった設定が作られるほど大幅に変更された同作ですが、「面白いから大正義。面白ければ良い」などの肯定的な意見も多く、大人の事情での原作改編もギャグとして受け入れられた成功事例といえます。
●『美少女戦士セーラームーン』
「月にかわっておしおきよ!」の決めゼリフでおなじみの『美少女戦士セーラームーン』は、原作とアニメでは展開がまったく異なります。
月刊誌「なかよし」(講談社)での原作初掲載が1991年12月なのに対し、アニメの放送開始は1992年3月です。実は原作の武内直子先生のアイデアを元にほぼ同時進行で製作されていたので、マンガとアニメが異なるストーリーになるのも当たり前の状況でした。
マンガは主人公である月野うさぎ(セーラームーン)の内面が色濃く描かれるなど、シリアスなストーリー展開なのに対し、TVアニメは日常をコミカルに描きながら、毎回登場するゲストキャラに忍び寄る敵たちとの「戦い」がメインとなっています。アニメ版は当時の子供たちでも楽しめる内容だったため、今でも主題歌「ムーンライト伝説」のイントロを聞くだけでセーラー戦士らの変身シーンや、技を披露する姿を思い出す大人も多いのではないでしょうか。
マンガとアニメでまったく異なる展開を見せた同作ですが、アニメが作品のヒットの火付け役となったのはいうまでもなく、作品のスタートから30年経った今でも「周年プロジェクト」が動くなど、世界中で注目され続ける作品となりました。
(LUIS FIELD)



