原作を「置き去り」に? 大幅な原作改変も大成功を収めたアニメ3作品
昨今のアニメ化作品に対し、「原作の忠実な再現」を求める声は少なくないようです。作品のなかには原作から大胆に改変されつつも、高い評価を受けて大ヒットにつながったものも見受けられます。今回は、そんな「改変が功を奏した」アニメ3作品を見ていきましょう。
マンガとアニメが同時進行した作品も

昨今のアニメブームは原作の「忠実な再現」を求める声が大きくなっていますが、なかには原作から大胆に脱線しながらもファンの心をつかみ、高い評価を受けた作品が複数、見受けられます。今回は「改変が功を奏した」アニメ3作品を見ていきましょう。
●『けいおん!』
『けいおん!』は当時ガールズバンドブームなどの社会現象を巻き起こし、日常系アニメの金字塔となった京都アニメーション制作の大ヒット作品です。2007年より「まんがタイムきらら」(芳文社)で連載されていた、かきふらい先生の四コママンガが原作です。
主人公の平沢唯が軽い気持ちで入った廃部寸前の桜高軽音部での3年間の学生生活をゆるふわに描いた第1期は、原作に基づいて作られていましたが、第2期で原作を追い越したために、映画も含め大半がアニメオリジナルのストーリーで構成されました。
アニメでは4コママンガのなかでは描ききれなかったゆるい空気感やキャラクターのかわいらしさが見事に表現されており、同時に唯たちが軽音部で組むことになったバンド「放課後ティータイム」による楽曲として、OP、EDテーマや作中に登場する音楽も展開されました。
「学生っぽさ」を残しながらもクオリティが非常に高い楽曲は、多くのファンにバンドでコピーされるなど、秀逸なメディアミックス戦略も相まってアニメは大成功を収めました。「日常系アニメの最高峰」など、制作を担当した京アニを讃える声も多かったようです。
アニメのオリジナル展開は原作ファンにとっていい意味でも悪い意味でも「期待を裏切る」展開となるため、何かと賛否が生まれるものです。ただし、上述した作品のように成功する事例もあるため、一概に「原作改変=悪」とは限らないのがアニメ版の面白いところではないでしょうか。