『鬼滅』水柱・冨岡義勇はなぜ周りに嫌われるのか? 「打ち解け度数」があまりに低い!
TVアニメ『鬼滅の刃』柱稽古編の第1話で描かれた「緊急柱合会議」では、水柱・冨岡義勇とほかの柱たちの間の深い溝が浮き彫りになります。炭治郎や禰豆子の命の恩人であるうえ、剣技に優れたイケメンな義勇はファンの人気は高いのに、なぜ柱たちとはモメてしまい、嫌われてしまうのかを考えます。
冨岡義勇が「だからみんなに嫌われる」理由とは?
2024年5月12日よりTVアニメ『鬼滅の刃』柱稽古編の放送がスタートし、あらためてその魅力にうっとり浸っている方も多いのではないでしょうか? 「柱稽古編」は、鬼の始祖である「鬼舞辻無惨」や「上弦の鬼」たちとの決戦を前に、主人公の「竈門炭治郎」ら一般隊士が鬼殺隊剣士の最上位である「柱」たちに稽古をつけてもらう、というのがメインストーリーです。そのため、これまであまり知られてこなかった柱たちの意外な「人となり」や、人間関係を垣間見ることができます。
柱たちや鬼殺隊全体がこれまで以上に強い結束を必要とする状況にもかかわらず、孤立してしまったのが「水柱」である「冨岡義勇」です。この記事では「なぜ、義勇は周りに嫌われてしまうのか」を考えます。
義勇は、炭治郎と妹の「禰豆子」が初めて出会った鬼殺隊の隊士であり、禰豆子の可能性を信じ、炭治郎を鬼殺隊へと導いた人物です。この出会いのシーンで義勇は炭治郎に自分の任務や鬼についての説明をし、「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」と叱りつけたため、義勇に対して「しゃべらない」というイメージを持った人は、それほど多くはないでしょう。さらに、厳しい態度をとりながらも、禰豆子を信じるという柔軟さや、「鱗滝左近次」に炭治郎を頼むという親切なところも、義勇の好感度をアップさせたはずです。
しかしその後、「那田蜘蛛山」の戦いで「蟲柱」である「胡蝶しのぶ」から、義勇について衝撃的な発言が飛び出します。
「そんなだからみんなに嫌われるんですよ」
これは、人と鬼が「仲良くすればいい」というしのぶに対して、「鬼が人を喰らう限りは」仲良くすることは無理だといったにもかかわらず、鬼である禰豆子をかばった義勇への言葉です。それに対して、義勇はこれまでのいきさつを語るでもなく、禰豆子の特異性について語るでもなく、ただ「俺は嫌われてない」と静かに真顔で答えるのです。
その言葉を聞いた炭治郎は、「え!? そっちの話?」といったふうに驚き、しのぶも、「え!? 気付いていないの?」といわんばかりにビックリ……。そして、その後も説明しないまま、しのぶを抱え込んで動けなくしたり、説明し始めたかと思えば2年前の出会いからの長い話をしようとしたりで、義勇が「会話によるコミュニケーション下手」であることが明らかになるのです。
さらに、その後の炭治郎と禰豆子の処分をめぐっての「柱合会議」では、何も語ろうとしない寡黙な義勇に対して、「蛇柱」の「伊黒小芭内」や「風柱」の「不死川実弥」が責任追及する場面もあり、柱のなかでの彼の立場が浮き彫りになります。「超」が付くほど個性的な柱たちのなかにあって、古参であるにもかかわらず、義勇はひたすらその気配を消しているようでした。
そして、「柱稽古編」では、この義勇の「会話によるコミュニケーション下手」がとんでもない事態を招くことになります。
※次ページ以降、まだアニメ化されていないシーンの記述があります。原作マンガを未読の方はご注意下さい。