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現金(タマ)の用意はOK? 「任天堂プレイステーション」競売へ そもそも何なの?

幻のゲームハードをめぐり大金持ちが札束で殴り合い

ソニーのPlayStationは1994年12月3日発売。同年11月22日発売のセガサターンとともに業界の勢力図を大きく変えた(マグミクス編集部撮影)
ソニーのPlayStationは1994年12月3日発売。同年11月22日発売のセガサターンとともに業界の勢力図を大きく変えた(マグミクス編集部撮影)

 時は流れて2015年の夏、突如として「任天堂版プレイステーション」が発見され、世界を騒然とさせました。

 幻の逸品が見つかった経緯も、また数奇なものでした。発見したテリー・ディーボールド氏は、勤めていた会社が2009年に倒産し、その際にオークションにかけられた詰め合わせの箱を落札しました。

 いくつかある箱のなかには、なんと幻のハードが入っていたのです。その会社の取締役のひとりが、ソニー関連会社のCEOだった縁からと推測されています。落札価格はたったの75ドル(当時のレートで約6800円)でした。

 さらにテリー氏の息子が、大手掲示板Redditで任天堂版プレイステーションのスレッドを見つけ、上記の内容を投稿したものの信じてもらえず、そのため動画を撮影して公開したところ、100万回以上も再生されて全世界の注目をかっさらいました。

 当時、米メディアは親子にインタビューし、実際に動く任天堂版プレイステーションの映像も収録しました。それにはスーファミ用『ストリートファイターII』や『スーパーボンバーマン5』のROMカートリッジを問題なく遊ぶことができ、「Super Disc」というCD-ROMのメニューが表示されることも確認できます。もっとも、専用のCD-ROMソフトがないため、「ソニーと任天堂の技術、夢の共演」というゲームを拝むことは叶いませんでした。

 このお宝ゲーム機は、2020年にオークションに出品され、36万ドル(当時のレートで約3800万円)にて落札されます。「Pets.com」の創業者であるグレッグ・マクルモア氏と、VRヘッドセット「Oculus」創業者のパルマー・ラッキー氏とのあいだで札束での殴り合いが繰り広げられ、結果マクルモア氏が競り勝ちました。

 そして2024年6月、新たにHeritage Auctionsが競売にかけると発表したのが、存在が明らかになった史上2台目の任天堂版プレイステーションの試作機、ただし「コントローラーのみ」です。

「SONY PlayStation」のロゴが刻まれ、スーパーファミコンと同じ形をしたコントローラーパッドは、どこのお店にも売っていません。オークションサイトの説明によれば、背面にいくつかの凹みがあるものの、非常に良い状態だそうです。ただし、ゲーム機の本体がないから動作確認はできておらず、また落札しても返品は認められません。

 目下の注目は、「おいくらで落札されるか」に集まっています。たとえば『スーパーマリオブラザーズ』の激レア未開封品が200万ドルで落札された例もあり、まして幻のハード用コントローラーであれば、100万ドルを超えても不思議ではないでしょう。

 今や任天堂もソニーも、当時の中心にいた人びとは去って行きました。「SONY PlayStation」のロゴを掲げるスーパーファミコンのコントローラーを手にして、「つわものどもが夢の跡」的な感慨に浸りたいものです。

(多根清史)

【画像】札束で殴り合う覚悟はできた? こちらが8月出品予定という任天堂版プレステのコントローラーとくだんの「本体」です

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