「声も見た目も完璧」「惚れる」 見事に実写化された「美女敵キャラ」たち
マンガの実写化作品のキャスティングは、その作品の良し悪しを決める大事なポイントです。特に「悪役」は主人公を引き立たせるポジションで、重要な役割でしょう。実写化作品のなかには、人気女優が悪役を担当し、そのハマり役ぶりが話題になったものもありました。
悪役を演じた人気女優たち

マンガやアニメの実写化において、キャラクターのキャスティングは注目されるポイントのひとつです。なかには、個性的な悪役キャラを演じ、原作ファンからも高く評価された女優もいました。
●『鋼の錬金術師』ラスト(演:松雪泰子)
大人気マンガ『鋼の錬金術師』(作:荒川弘)は、2017年から2022年にかけて3作の実写映画が公開されました。物語は、主人公「エドワード・エルリック(演:山田涼介)」(以下、エド)と弟「アルフォンス・エルリック(演:水石亜飛夢)」(以下、アル)が、亡き母親を蘇らせるために「人体錬成」の禁忌を犯し、失敗してしまうところから始まります。
そしてエドは左足と右腕を、アルは魂以外の全身を禁忌の代償として失い、体を取り戻すため「賢者の石」を求めて旅に出るのでした。
実写版『ハガレン』で「再現度が高い」とファンから声があがったのは、エドと敵対する人造生命体「ホムンクルス」のひとり「ラスト」を演じた松雪泰子さんです。ラストには、手にあらゆるものを貫通、切断できる爪のように長い「最強の矛」があり、冷静な知略家として物語の随所で活躍する人物です。松雪さんは作中、原作通りのセクシーな衣装を身にまとい、ラストを演じています。
松雪さんはラストの体型に寄せるよう、撮影前には肉体改造や綿密な衣装合わせをしたそうで、所属事務所スターダストプロモーションが運営する「STARDUST WEB」のインタビューにて「女性らしいふくよかで肉感のあるスタイルが特徴なので、3kgほど体重を増やして臨みました。衣装も7回くらいフィッティングをしましたね。(中略)魅力を引き立たせる繊細なドレスになるように細部にまでこだわって作っていただきました」と撮影を振り返っています。
松雪泰子版のラストの演技は高い評判を呼び、「実写映画のハガレンはいろいろ言われてるけど、ラスト役が松雪泰子さんなのはホントに天才のキャスティングだった」「声もビジュも百点満点」「ここまでハマってるのはすごい」と、再現度が高い実写キャラの代表例となりました。
●『賭ケグルイ』桃喰綺羅莉(演:池田エライザ)
富裕層の生徒が通う特殊な学園を舞台としたギャンブルマンガ『賭ケグルイ』(原作:河本ほむら/作画:尚村透)は、TVドラマや劇場版を含めシリーズ5作品が実写化されています。原作同様、お金や命を賭ける激しいギャンブルが、個性豊かなキャラによって繰り広げられます。
そんな学園を取り仕切るのが生徒会長の「桃喰綺羅莉(ももばみ きらり)」で、実写版では池田エライザさんが演じました。綺羅莉は、ヒロイン「蛇喰夢子(演:浜辺美波)」と同様のギャンブル狂で、原作でも人気の高いキャラクターのひとりです。
ラスボス的な存在として君臨しているため、夢子との直接対決は、いまだ実写版で描かれていません。それでも思考が読めない妖艶で不気味な雰囲気でギャンブルを見守る池田さんの容姿や演技は、マンガからそのまま飛び出たのではないかと錯覚するほどの再現度があります。
ちなみに2021年に公開された『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』は、原作にない完全オリジナルストーリーでした。作中、夢子と綺羅莉たちがチーム戦で間接的に対決しており、命を賭けた手に汗握る展開が見どころです。