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「ドム」のホバー移動は実現可能!? 人類にはまだまだ危険な「NTR」ってなんなの?

人類には早すぎる? NTRの難点はやはり…

ドム・トロピカルテストタイプ。砂漠でホバーされたら随伴歩兵は大変そう。「1/144 YMS-09 局地戦闘型ドム」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
ドム・トロピカルテストタイプ。砂漠でホバーされたら随伴歩兵は大変そう。「1/144 YMS-09 局地戦闘型ドム」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 空気を利用したNTRの一種「原子力ターボジェット」は現実世界の既存技術であり、飛行試験の一歩手前まで行われた例もあります。宇宙世紀の世界では「熱核ジェット」と呼称されているもので、すなわちドムに搭載されている機構です。

 原子力ターボジェットのメカニズムは、通常のジェットエンジンと同じように、圧縮機によって空気を吸い込み圧力を高め、燃料に点火する燃焼室の代わりに原子炉からエネルギーを取り出す熱交換器によって空気を加熱、そして膨張した空気はタービンによって回転力が抽出され、この動力は圧縮機の駆動に使われます。最後に空気は排気としてノズルから噴射され推進力となります。

 原子力ターボジェットが航空機用エンジンとして実用化された際には、事実上、無限の航続距離を得ることができたはずでした。ところが、原子炉の安全性、放射線遮蔽の問題やコストが非常に膨大であったこと、小型化、軽量化が困難であったことなどから、B-36戦略爆撃機に原子炉だけ搭載した試験飛行は行われたものの、肝心の原子力ターボジェットの空中での運転前に計画が中止されました。

 なおモビルスーツが搭載する原子炉は「核融合」方式であり、現実世界で実際に作成された航空機用原子炉は「核分裂」方式と、熱エネルギーを得るための仕組みが大きく異なります。ただどちらを使っても、熱を推進力に変換するためのロケット(ジェット)の基本的な原理は大きく違わないと考えられます。

 原子力ターボジェットの欠点は真空の宇宙空間では動作しないことです。そのため宇宙空間での運用を目的としたドムは、改修型の「リック・ドム」として登場しています。

(関賢太郎)

【画像】見た目は同じ中身は大違いな「リック・ドム」ほか「ドム」のバリエーションいろいろ!(10枚)

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