今夜の金ロー『名探偵コナン 純黒の悪夢』 もしハリウッドで実写化したら制作費は?
もしもハリウッドで実写映画化したら……

劇場版「名探偵コナン」シリーズは、ハリウッド映画ばりの迫力満点なアクションシーンも大きな見どころです。『純黒の悪夢』では「黒い組織」の女性メンバーであるキュラソー(CV:天海祐希)が安室と赤井を相手に、ド派手なカーチェイスを冒頭で繰り広げます。クライマックスには、巨大観覧車が爆破される大スペクタクルシーンも用意されています。
シリーズ屈指のアクション大作とも呼べる『純黒の悪夢』は、もし実写映画化したら一体どのくらいの制作費が掛かるものでしょうか? 実際の実写作品と比較しながら検討してみましょう。
東都水族館にある巨大観覧車のモデルとなっているのが、英国ロンドンにある「ロンドン・アイ」です。高さが135mもある、ロンドンの観光名所です。SF映画『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(2007年)では、この「ロンドン・アイ」が大崩壊するシーンが描かれています。大スターは出演していない『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』ですが、制作費には1億3000万ドルを費やしています。日本円でおよそ142億円。カーチェイスシーンで人気の『ワイルド・スピード』(2001年)だと、制作費3800万ドル、日本円でおよそ41億円になります。
かつては人気俳優が工藤新一を演じたことも
もうひとつ、参考にしたい実写映画があります。小栗旬さんは2006年、2007年に放映された実写ドラマ『名探偵コナン 工藤新一への挑戦状』『名探偵コナン 工藤新一の復活!』(日本テレビ系)で、江戸川コナンの本来の姿である高校生・工藤新一を演じています。そんな小栗さんが怪盗紳士に扮したのが、実写映画『ルパン三世』(2014年)です。タイ、香港、フィリピン、シンガポールなどで海外ロケが行なわれ、中盤のカーアクションシーンにはかなりの力が入っていました。実写版『ルパン三世』は興収24.5億円を記録。制作費は公表されていませんが、10億円前後だったと思われます。
いずれにしろ『名探偵コナン』を実写映画化すると、数十億円規模の大予算を必要とすることは間違いありません。主人公の江戸川コナンは小学生ですから、子役俳優にそれだけのバジェットの重責を負わせるのも難しそうです。やはり日本のアニメーションならではの企画だといえそうです。
今や劇場版「名探偵コナン」シリーズはアニメーション界だけでなく、日本映画界の興行を盛り上げる大きな柱となっています。スナイパー・赤井秀一が再び活躍する最新作『名探偵コナン 緋色の弾丸』は恒例の4月公開から延期となりましたが、『純黒の悪夢』を視聴しながら公開日の発表を待ちたいと思います。
(長野辰次)