人気アニメ『蒼穹のファフナー』シリーズ無料配信 トラウマシーン連続に胃薬が必要
アニメ『蒼穹のファフナー』の過去シリーズが、2020年5月2日(土)より期間限定で、YouTubeオフィシャルチャンネルでの無料配信を開始。また、新作OVA『蒼穹のファフナー THE BEYOND(ザ ビヨンド)』の最新PVが公開されました。見る人の心に深く突き刺さる残酷な物語が、ファンの心をつかむ理由は何なのでしょうか。
「胃薬が必要」ながら人気作『蒼穹のファフナー』
2004年にTVシリーズ1期が放送されたアニメ『蒼穹のファフナー』は、人類を脅かす未知の生命体である「フェストゥム」との戦いを描いた作品です。2020年5月2日(土)より期間限定で、YouTubeオフィシャルチャンネルでの過去シリーズ無料配信が開始されました。
現在、TVシリーズ1期と2005年放送のTVスペシャル『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』を配信中です。さらに、10日(日)正午から劇場版『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』、16日(土)正午からTVシリーズ第2期『蒼穹のファフナー EXODUS』第1話~第13話、17日(日)正午から第14話~第26話が配信されるというスケジュール。
また、2020年劇場先行公開予定の最新作OVA『蒼穹のファフナー THE BEYOND(ザ ビヨンド)』の第7~9話のPVが公開されています。
2019年11月に劇場先行公開された『THE BEYOND』第4~6話では、衝撃的なラストに観客がすすり泣き、嗚咽しながら退場するといった出来事も。『蒼穹のファフナー』は、ファンから「胃薬が必要」と言われるほど、見る人の心をえぐるストーリーが特徴です。
見ていて苦しくなるほどの作品にもかかわらず、高い人気を誇る理由は何なのでしょうか。
日本はすでに滅びていた…平和な島の正体
TVシリーズ1期は、平和な島に住む主人公・真壁一騎(まかべ・かずき/CV:石井真)をはじめとする子供たちの姿を描くシーンから始まります。日本の昭和後期を思わせる島・竜宮島に、「東京に行ってきた」という皆城総士(みなしろ・そうし/CV:喜安浩平)が帰ってきます。クラスメイトの遠見真矢(とおみ・まや/CV:松本まりか)が東京の様子を聞きたがるも、総士はあいまいな返答をします。
そこに起こる異変。
「あなたはそこにいますか」
島に住む人びとの心に問いかける声。竜宮島は文化を子孫に伝えるために偽装された要塞で、すでに日本はフェストゥムの侵攻によって滅びていたのです。
学校の教師たちは、フェストゥムに対抗する組織「アルヴィス」のメンバー。戦闘の訓練を受けていた蔵前果林(くらまえ・かりん/CV:白石涼子)が出撃前に命を落としてしまったため、特性の高かった一騎が何も知らないまま、フェストゥムに唯一対抗できる人型兵器「ファフナー」に搭乗して戦うことに。竜宮島で作られたファフナーは、人工子宮から生まれた島の子供たちしか操縦することができません。一騎の友人たちもその後、ファフナーのパイロットとして凄絶な戦いに身を投じることを求められます。
「子供でないと兵器に乗れない」という設定は珍しくないかもしれません。ファフナーが心に突き刺さる理由として、搭乗する際に激しい痛みを伴うことがひとつ。また、戦闘で受けた痛みもまた、ダイレクトにパイロットが受けることになります。さらに、司令塔となる「ジークフリード・システム」を操る総士も、パイロットと痛みを共有します。
また、ファフナーのメインシステムにはフェストゥムの「コア」が組み込まれているため、パイロットは戦いを続けることでフェストゥムとの「同化」が進み、最終的には結晶化し砕け散ってしまいます。戦い続けることもできず、引くこともできず、ギリギリの戦いを強いられます。
視聴者は、画面の向こうの戦いの「痛み」を容赦なく心に受け続けるのです。