『ドラクエ』教会に「十字架マーク」はもう無い? 離脱勢は知らない「消えてしまった要素」3選
ラスボスのビジュアルにもまさかの変化が

●ラスボスの威容を演出した「あの部分」にも変化の波が
一見気づかないかもしれない小さな変化で、しかし表現上で大きな影響も感じられるのが、大魔王である「ゾーマ」の指の数です。
世界を闇で覆わんとするゾーマの存在は、世界中の人々に大きな不安を与えていました。実際に勇者が対面するゾーマも、その存在感に相応しい威容を放っており、まさしく大魔王らしい姿でした。
ゾーマのフォルムは概ね人型ですが、ファミコン版だと指の数は4本。人のようで人ではない、という恐ろしさをビジュアルで伝えることに成功したデザインです。
しかし、後の作品やグッズ展開で、ゾーマの指は4本から5本に変化し、HD-2D版『ドラクエ3』でもやはり5本指になっていました。
創作における4本指という表現は、人と人外を区別する手法のひとつでした。しかし、現実世界では差別につながるとも考えられており、自粛したり修正した作品も少なからずあります。「ドラクエ」も同様で、他のモンスターにも影響が及びましたが、ラスボスであるゾーマにまで影響が及んだのは、小さくない衝撃といえるでしょう。
●キャラ作成から消えた「性別」の文字、しかし思わぬ副作用も
「ドラクエ」作品のなかには、キャラクターの「性別」を任意で選択できるものもあります。ナンバリングでは、仲間の「性別」も決められた『ドラクエ3』が代表的です。しかもスーパーファミコン版などの『ドラクエ3』では、男女の選択に加えて「性格」という要素もありました。
しかし、キャラクターの「性別」選択は、「ドラクエ」シリーズから消えていきます。選択肢自体がなくなったわけではなく、「ルックスA・ルックスB」のような名称に変わっており、「性別ではなく見た目を選ぶ(チョイスする)」という形になりました。
性別と表現の問題は近年特に話題になることが多く、「男性らしい見た目」「女性らしい容姿」を性別で割り振ることに決めつけを感じ、反発する声もあります。この風潮は「ドラクエ」のみならず数多くの作品にも影響を与えており、キャラクター作成から「男女」の選択が消えつつあるのが現状です。
HD-2D版『ドラクエ3』で仲間の容姿を決める際も、用意された「ルックス」のなかから選ぶのみで、キャラメイク中に性別について言及する場面はありません。「表示されるグラフィックの選択」という本質的な部分に変わりはありませんが、選択肢から「性別」というワードが消えるという変化は、決して小さなものではないでしょう。
ただしHD-2D版『ドラクエ3』の場合、容姿選択の際に「性別」がなくなったことで、以前は限定されていた「性別固定の性格」の制限が緩和されるというおまけもついてきました。例えば、「ルックスA」(男性のような見た目)の魔法使いで、性格が「セクシーギャル」、というキャラクターも作成可能に。これもひとつの多様性なのかもしれません。
ファミリーコンピュータ版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』:
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Nintendo Switch版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』:
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(臥待)


