TV版『エヴァ』お茶の間が凍りついた衝撃回 「最終話よりショック」「ある意味功績?」
「シンクロ率400%」の代償 主人公の肉体が消失?
一方、シンジは肉体を失いながらも意識は存在しており、エヴァのなかで父ゲンドウとの関係や「自分がここにいていい理由」など、さまざまな葛藤を繰り返していました。自問自答と言うにはあまりにも悲痛な叫びが響きわたる一連のシーンは、シンジ役の緒方恵美さんの際立った演技により、心に突き刺さる強烈な印象を残しています。
やがてひと月が経過し、リツコの手によりサルベージ計画が立案されました。伊吹マヤは短期間での計画立案を喜びますが、リツコは10年前に失敗したサルベージのデータを使ったと語ります。後に、サルベージに失敗したのはシンジの母親である碇ユイだったことが明かされますが、弐拾話放送の時点では、まだ公開情報ではありませんでした。
サルベージは成功する。『エヴァ』以前のアニメだったらそう確信できていたでしょうが、当時の『エヴァ』に安易な展開は存在しないという緊張感がありました。果たしてどうなるのか。固唾を飲んでTVを見つめていた視聴者の目に映し出されたのは、サルベージが失敗し、流れ出るLCLと共に漂ってきたシンジのプラグスーツだったのです。
プラグスーツを抱きしめて嗚咽するミサトでしたが、最終的にシンジは再び肉体を持った存在として還ってきます。
その直後でした。
さっきまで嗚咽(おえつ)していたミサトが加地さんと事後の雰囲気を漂わせている。大人と子供の世界の境にある、ハッキリとした溝を見せつけられたシーンでした。
『エヴァ』の後、『少女革命ウテナ』や『無限のリヴァイアス』などの作品で刺激的なシーンが登場するようになります。「TVアニメでここまでやってもいい」ことを世に伝え、表現の幅を広げた点にこそ、第弐拾話の最大の価値があるのではないでしょうか。
(仙乃葉白)



