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TV版『エヴァ』第弐拾弐話「せめて、人間らしく」 どうしようもない「アスカの不幸」に震撼?

1995年に放送されたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の終盤は、最終回へ向かっているはずなのに終わりが見えず更なる深みへと沈んでいくような展開の連続でした。2月28日に第放送された弐拾弐話「せめて、人間らしく」では惣流・アスカ・ラングレーの過去が明かされましたが、思春期の少女には辛すぎる無惨なラストを迎えました。

「汚されちゃった……どうしよう……汚されちゃったよぅ」

惣流・アスカ・ラングレーが表紙に描かれる、マンガ『【愛蔵版】新世紀エヴァンゲリオン』(KADOKAWA)
惣流・アスカ・ラングレーが表紙に描かれる、マンガ『【愛蔵版】新世紀エヴァンゲリオン』(KADOKAWA)

 1995年に放送されたTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の終盤は、最終回へ向かっているはずなのに終わりが見えず更なる深みへと沈んでいくような展開の連続でした。2月28日に第放送された弐拾弐話「せめて、人間らしく」では惣流・アスカ・ラングレーの過去が明かされましたが、思春期の少女には辛すぎる無惨なラストを迎えました。

 終盤に入り、残酷で悲惨なストーリーが展開されるようになった『エヴァ』ですが、「NERV」設立の経緯が明かされるなど情報は増えたものの謎が解決される気配はありませんでした。リアルタイム視聴者のなかには、第弐拾話を超えたあたりで「ハッピーエンドが待っている作品ではない」と気づいた方もいたのではないでしょうか。

 そして弐拾話を超えてなお、未だ不明だったのが惣流・アスカ・ラングレーの過去でした。綾波レイと並びダブルヒロインとして絶大な人気を誇っていたアスカでしたが、セカンドチルドレンと呼ばれるエヴァのパイロットで、ドイツ語を操ることや14歳にして飛び級で大学を卒業したこと以外には謎が多く、アスカについてもっと詳しく知りたいと考えていたファンは大勢いたのです。

 弐拾弐話はそんな期待に半分応え、半分は裏切る回だったように今は思えます。当時のファンにとっては描写のひとつひとつがショッキングであり、特に第15使徒アラエルとの戦いでアスカが晒した無残な姿とセリフは、強烈なインパクトを残しました。ストーリーを振り返ります。

 序盤、アスカの実母は精神崩壊を起こし人形をアスカだと思い込むようになっていたことが明かされます。しかもアスカがエヴァ弐号機のパイロットに選ばれた際に、人形とともに自殺しており、この出来事は彼女の心に暗い影を落としました。

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