【漫画】愛猫の死から1年、立ち直れない女性の心残り「幸せだった?」に答えたのは… 結末に涙
愛猫のトトがこの世を去ってから1年。25年も一緒にいた女性はまだ立ち直れずにいました。ある日、女性を心配していた夫の前に謎の巨大な猫が現れ……。卯月ようさんがX(旧:Twitter)で公開した創作マンガに「泣ける」「癒やされた」という声が集まっています。作者の卯月ようさんにお話を聞きました。
愛猫を失った夫婦の前に現れた「謎の猫」

愛猫のトトがこの世を去ってから1年。25年も一緒にいた女性はまだ立ち直れず、涙を流す日々を過ごしていました。ある日、女性を心配していた夫の前に謎の巨大な猫が現れ、「悩みを解決します」と自宅を訪れます。その傍らにはトトにそっくりな猫が! 女性は驚きつつも、「トトは本当に幸せだったのか」という心残りを打ち明けて……。
卯月ようさん(@yo_yo_yo_u)による創作マンガ『猫の手、お貸しします。』をご紹介します。本作は双葉社のコミックサイト「webアクション」掲載作品で、2024年2月22日の「猫の日」にX(旧:Twitter)でも公開されました。読者からは「泣いた」「愛する猫に先立たれたら私も立ち直れなくなると思う」「何年経っても落ち込んでしまう」「癒やされた」「うちにも来て話を聞かせてほしい」などの声があがり、当時の投稿には3600件を超える「いいね」が集まりました。
作者の卯月ようさんに、お話を聞きました。
ーー今回のお話はファンタジー要素もある創作の物語ですが、このお話が生まれたきっかけを教えて下さい。
自分自身が20年以上一緒に過ごした飼い猫がおり、老い、介護、看取りを経験しました。数年経った今でも、猫に生きてほしい、延命させたいと思っていたあのときの自分は正しかったのか? 分からない部分もあり、また「あのときこうしていれば……」という後悔もあります。おそらく今後も解消されることはなく、薄まったとしても自分のなかで何となくモヤッとして残り、ずっと抱えていくことにはなると思います。
これに似た経験をされた方はたくさんいると思いましたので、ここに同じような人間はいる、あなただけではないということを伝えたいと思い描きました。
また、もし「あのとき選ばなかった方」の選択をしていたとしても、おそらく今頃別の理由で後悔していると思います。つまり結局は、そのときどういう方針をとっていたとしても、何かしら後悔はすることになる。これはしょうがないことではありますが、誰にとっても自然なことなのではないかと考えています。
なので、必要以上に自分を責めないでほしいというメッセージも込めました。結果は出てみないと分からない、そのなかで悩み葛藤して出した答えが、自分がそのときできる限りのベストだったのだ、と思って良いのではないかと私は思います。ただ、気持ちの整理の仕方はこれが正解、というドキュメンタリー的な描き方にはしたくなかったので、ファンタジー要素を入れました。

ーー愛猫を失った夫婦と謎の猫のやりとりに温かい気持ちになりました。マンガを描くうえで特に力を入れたところや、お気に入りのシーンなどがあれば教えて下さい。
猫と長年暮らし、その猫が老いていく過程は自分の経験を元に描いたので、思い出すのはつらい部分もありましたが頑張って描きました。また、作画においては、猫のモフモフした感じが出るように毛の質感を意識しました。
ーー作品に寄せられた感想で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
「小学生から就職まで一緒だった猫を思い出しました」「4年前に亡くなった猫に対してまだ後悔していました」「先に行ってて待ってくれている猫に、またいつか会えると信じています」など、猫の看取りを経験した方々から感想をいただけました。どの方のお言葉も本当に共感できるものばかりで、読んでいて私の方が救われる気持ちになりました。ありがとうございました。
●「webアクション」に掲載中の『猫の手、お貸しします。』
●卯月ようさん 過去のインタビュー
(マグミクス編集部)