クオリティが高すぎた実写化主人公 ドハマりで原作者も「この人しかいない」
賛否が分かれることの多い人気マンガの実写化作品のなかで、原作者や原作ファンからも絶賛の声が多い実写映画もありました。成功した背景には、キャストや制作陣の並々ならぬ努力や奮闘があったことがうかがえます。特に、主人公に称賛の声が集まった作品もありました。
高い再現度の裏には悲壮な覚悟も

マンガの実写化において、登場人物の再現度は成功の鍵を握ります。特に主人公に関しては賛否が分かれることも多いなか、原作者やファンに高く評価され、シリーズとして長く愛された作品もあります。実写化を成功へ導いた役作りとはどのようなものだったのでしょうか。
●『キングダム』信(演:山崎賢人)
2019年に1作目が公開された映画「キングダム」シリーズ(原作:原泰久)は、春秋戦国時代末期を舞台に、中華統一をめぐる戦いを描いた作品で、山崎賢人さんが孤児から将軍へと成り上がる主人公「信」を演じました。壮大な世界観の物語で、長らく実写化不可能とされていた本作において、山崎さんは実直さや正義感、リーダーシップ、そして戦闘シーンでの迫力がある主人公を見ごとに演じ「信は山崎さんしかいない」などと称賛されています。
役作りのために減量やアクショントレーニングを徹底した山崎さんは、「東洋経済オンライン」のインタビューで、「撮影で先頭切って信を演じて、『俺はおもいっきりやってるからついて来て欲しい』と背中で語る、『強く優しく』という心構え」で撮影に臨んでいたことを語っています。
その細部にまでこだわった演技は、原作者の原泰久先生も魅了し、1作目公開直前のイベントでは、原先生から山崎さんへ「原作の1巻から6巻までの信より、映画で山崎さんが演じた信が魅力的だった」というメッセージも寄せられました。
●『るろうに剣心』緋村剣心(演:佐藤健)
明治時代を舞台にした実写映画「るろうに剣心」シリーズ(原作:和月伸宏)では、佐藤健さんがかつて「人斬り抜刀斎」と恐れられた伝説の剣客「緋村剣心」を演じました。佐藤さんは、穏やかな剣心の「おろ?」というとぼけた表情から、歴戦の人斬りへと豹変する姿、さらにスピード感あふれる殺陣まで、圧倒的な振り幅のある剣心をしっかり再現しています。
原作者の和月先生は、もともと実写化するなら佐藤さんに演じてほしいと考えていて、俳優の希望を聞かれたときに推薦したそうで、シリーズ完結後に行われた「ジャンプフェスタ 2021 ONLINE」では、「後にも先にも、これ以上の『剣心』はいない」と絶賛のコメントを残しています。
壮絶なアクションシーンにも挑み、足が物理的に上がらなくなるほどの過酷な撮影を経験した佐藤さんは、オファーを受けた際「アクションがかっこよくなかったら役者を辞める」と覚悟を決めていたそうです。それほどの決意のもと、2012年公開の1作目から2021年の『るろうに剣心 最終章 The Beginning』まで、9年にわたりシリーズを牽引しました。
●『カイジ 人生逆転ゲーム』伊藤カイジ(演:藤原竜也)
福本伸行先生の人気のギャンブルマンガを実写映画化した「カイジ」シリーズで、藤原竜也さんは、多額の借金を抱えながら命を賭けた人生逆転ギャンブルに挑む主人公「伊藤開司(カイジ)」を演じました。
原作マンガの絵柄が特徴的なこともあり、ビジュアルは正直似てはいないのですが、自堕落な生活を送る無気力な姿からゲームで才覚を発揮し歓喜する表情、頭を抱え絶叫するなど振り切った演技は「個性的な声と表情で感情を全力でぶつける姿に魅了される」「彼なくしてカイジはありえない」と、原作ファンからも絶賛されています。
また、地下に落とされたカイジがなけなしの金で買ったビールを飲み、「キンキンに冷えてやがる!」と叫ぶ原作の名シーンは、藤原さんの演技でさらに強いインパクトを残しました。このシーンのために、禁酒して撮影に臨んだことも明かされています。
本作は2009年に公開された1作目から成功を収め、福本先生が考案したシリーズ最後のオリジナルストーリー『カイジ ファイナルゲーム』まで、藤原さんはカイジを演じ続けました。
※山崎賢人さんの「崎」は正式には「たつさき」
(LUIS FIELD)
