父親が強烈すぎる「父子アニメ」3選 そして気になる宮崎監督親子の逸話も…
毎年6月の第3日曜日は「父の日」です。『サザエさん』(フジテレビ系)の磯野波平、『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系)の野原ひろし……。アニメーションの世界にはさまざまなタイプの父親がいますが、今回は子供の前に立ち塞がる、存在感が強すぎな父親たちを紹介します。
ガンコ親父といえば、『巨人の星』の星一徹
父と子の関係性をテーマにした作品は、古今東西いろいろとあります。アニメーションの世界も、例外ではありません。2020年6月21日(日)は「父の日」ということで、強烈な父子関係が描かれたアニメーション作品3本とDVD化されたドキュメンタリー番組を紹介します。
「昭和のガンコ親父」を代表するキャラクターといえば、1968年~1971年に日本テレビ系で放映された野球アニメ『巨人の星』の星一徹(CV:加藤精三)です。巨人軍の内野手だった星一徹は、息子の飛雄馬(CV:古谷徹)を一流の野球選手に育てることを生きがいとしています。もともとは右利きだった飛雄馬を、投手として有利な左利きに変えさせるなどのスパルタ教育を施します。
飛雄馬は子供の頃、「大リーグ養成ギブス」と名付けられた全身エキスパンダーを装着させられていました。「バネに肉が挟まったら痛いだろうなぁ」と、飛雄馬の身の上を心配した人も多いのではないでしょうか。
一徹といえば、ちゃぶ台をひっくり返すことでも有名です。今なら「DVだ」「毒親だ」と騒がれそうな一徹ですが、飛雄馬とは深い野球愛で結ばれていました。第10話「日本一の父 一徹」では、名門私立高校に息子を入学させるために懸命に働く一徹のことを、「僕の父は日本一の日雇い人夫ですッ」と飛雄馬は高校入試の面接官に誇らしげに語りました。
大人になって見直すと、一徹が元巨人軍というプライドをかなぐり捨て、家族のために黙々と工事現場で働く姿に、涙腺を刺激されてしまいます。
息子に冷たい『エヴァ』の碇ゲンドウ
男の子にとっては、父親は乗り越えるべき最大のライバルとも言われますが、父と子との壮絶な葛藤によって世界が滅亡の危機に瀕してしまうのが、1995年~1996年にテレビ東京系で放映されたSFアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』です。
14歳になる少年・碇シンジ(CV:緒方恵美)は、父親である碇ゲンドウ(CV:立木文彦)に命じられ、EVA初号機に搭乗します。父親の期待に応えようと努めるシンジですが、ゲンドウはシンジには冷たく、亡くなったシンジの母・ユイへの想いに囚われ続けています。EVA零号機に乗る綾波レイ(CV:林原めぐみ)の正体が分かった時は衝撃的でした。
子供の頃は、親は無条件で自分を保護してくれる大人だと思っていたのですが、自分自身が大人になると親も試行錯誤を重ねていたことが分かります。親や大人の言うことに従っていれば安心。そんな時代はすでに終ったことを、『エヴァ』 は気づかせてくれたように思います。