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「…とガンダムが言っている」が本当に「言っている」可能性 「ファースト」の場合

『ジークアクス』を機に、シリーズの過去作を履修している人もいることでしょう。『機動戦士ガンダム』は劇場版三部作で理解できそうですが、TV版にしかないシーンもあります。そうした、劇場版では観られないシーンのひとつのお話です。

見た目に依らない声色(?)の「ガンダム」

こう見えてしゃべるんです。「U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士ガンダム」(バンダイナムコフィルムワークス)ビジュアルイメージ (C)創通・サンライズ
こう見えてしゃべるんです。「U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士ガンダム」(バンダイナムコフィルムワークス)ビジュアルイメージ (C)創通・サンライズ

 アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』主要キャラクターのひとり「シュウジ・イトウ」には、「……とガンダムが言っている」というセリフがあります。劇中、繰り返し使われたこともあり、彼を象徴するセリフのひとつといえるでしょう。

 その意味するところはさておき、実のところオリジナルの『機動戦士ガンダム』においても、「……とガンダムが言っている」と表現できそうなシーンがあります。

 それはTVアニメ版『機動戦士ガンダム』第18話で見られました。サブタイトル「灼熱のアッザム・リーダー」とあるように、本エピソードで主人公「アムロ・レイ」の駆る「RX-78-2 ガンダム」は、敵機「アッザム」の武器「アッザム・リーダー」に苦しめられます。

「アッザム・リーダー」とは、対象(上記の場合、ガンダム)周囲に触媒となる粉状の物質(リーダー)を散布したのち、ワイヤーを檻状に展開し対象を捕捉、高周波を対象に浴びせることで高温を発生させ、これにより電子回路などにダメージを与えるという、ごく大雑把に言ってしまえば電子レンジのような武器です。

 これによりガンダムは、表面温度が4000度(明言されていませんが摂氏と思われます)にも達し危機に陥ります。このときコックピットでは「パイロット及び回路保護の為、全エネルギーの98%を放出中」という「声」が流れていました。

 この「声」は、いわゆる電子合成音声のような響きで、「ハロ」の声を思い浮かべればイメージしやすいかもしれません。甲高く、ともするとかわいいとすら表現できそうな声色でした(個人の感想です)。

 いわゆる警告音声、すなわちあらかじめパターンの決められた音声の類かと思いきや、アッザム・リーダーの威力が弱まると、今度は同じ声色で「攻撃エネルギー低下」との声が流れます。警告音声とは種類の異なる、いわば戦闘をアシストするかのような内容です。

 これは果たして、あらかじめ決められたパターンの音声なのでしょうか。そうとも考えられる一方、「攻撃エネルギー」というあいまいな表現をあらかじめ用意しているとは考えにくいでしょう(用意するなら「熱量」などより具体的なワードになりそうです)。後者である場合、ガンダムに搭載されたコンピュータなりAIが、その場でアッザム・リーダーという未知の武器による攻撃の状況を分析し発声しているわけですから、すなわちガンダムには「おしゃべり機能」が搭載されている、といえるのではないでしょうか。

 おしゃべり機能とは、つまりは人間とコミュニケーションするための機能です。あくまでプログラミングされたものであるとはいえ、そこに人格のようなものを見出してしまっても仕方のないことであるのは、AIに囲まれた現代を生きる我々であれば肌感覚で理解できることでしょう。こうしたことから、TV版『機動戦士ガンダム』においても、「……とガンダムが言っている」と表現できそうなシーンが存在する、というわけです。

 なお、ガンダムが話すシーンは後にも先にもこの第18話だけで、劇場版『機動戦士ガンダム』三部作にはアッザムそのものが登場せず、したがってガンダムのおしゃべりシーンは観られません。劇場版ではTV版から変更された設定が多々見られ、もしかするとおしゃべり機能もなかったことになっている可能性はあります。

(マグミクス編集部)

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