『Zガンダム』なぜティターンズはジオン系MSなの? ジオン残党狩り組織が採用のワケ
『Zガンダム』のティターンズが運用する主力量産型モビルスーツには、ジオン系の影響を色濃く受け継ぐモビルスーツが見られます。ジオン残党狩りを目的とし結成された彼らが、なぜジオン系の機体を採用しているのでしょうか。
ジオンを絶対許さない組織がモノアイ機を主力に…なぜ?

マグミクスは2025年7月24日、「敵なの味方なの? 複雑な『Zガンダム』のお話をより難しくしていたかもしれないMS」と題した記事を配信、1985年のTVアニメ『機動戦士Zガンダム』放送当時の視聴環境や、モビルスーツの敵味方がわかりづらかったことについて触れたところ、これに多くの反響の声が寄せられました。
その話題のひとつに上がっていたのが、「ティターンズ」にジオン系MSが採用されている点です。
ご存じのようにティターンズは、地球連邦軍内の軍閥組織であり、当初はジオン残党狩りを主目的として設立されました。つまりジオンは目の敵です。ところが、実際に劇中で使用しているMSを見てみると、物語序盤の主力機である「ハイザック」は一見して「ザクII」ですし、「マラサイ」や「ガルバルディβ」といった機体も明らかにジオン系の特徴を持っています。
ハイザックは「ザクII」や「アクトザク」をベースに、地球連邦軍とアナハイム・エレクトロニクスが共同開発したとされています。胸のあたりなどに連邦系の意匠が見られるものの、全体の印象はザクIIそのもので、カラーリングもザクを思わせるグリーンでした。
マラサイは元々、本作の主人公サイドである反地球連邦組織「エゥーゴ」向けに開発が進められていたものの、政治的な取引によってティターンズに提供されたとされています。ガルバルディβに至っては、一年戦争時にジオン軍が開発していたというMS「ガルバルディα」(アニメ本編未登場)の直系といえる機体です。
さらに興味深いのは、ティターンズの艦艇についても同様の傾向が見られることです。「アレキサンドリア級」のデザインは、明らかにジオン軍の「ムサイ級」の影響を感じさせるものでした。
では、なぜジオン残党を敵視する組織が、これほどまでにジオン系のMSを採用したのでしょうか。
ひとつは、純粋に技術的な優秀さが評価されたという見方があります。一年戦争を通じて、ジオン軍のMS技術は実戦で磨かれており、特にザク系の基本設計は完成度が高いものでした。戦後、「アナハイム・エレクトロニクス」が「ジオニック社」を吸収合併したことで、これらの技術が連邦側でも活用可能になったというわけです。
もうひとつは、心理的効果を狙ったという説です。ジオン系住民やジオン残党に対して「我々は君たちの技術すら支配下に置いた」というメッセージを発することで、戦意を削ぐ狙いがあったのではないかと考えられています。実際、ザクIIによく似たハイザックが連邦軍マークの入ったシールドを装備している姿は、元ジオン兵にとって相当な屈辱だったことでしょう。
と、このように説明はできそうなものの、やはり「ジオン憎し」を掲げる組織としては矛盾を感じざるを得ません。この点については、ファンのあいだでも様々な意見が交わされてきました。先の記事でも触れたように、「主人公サイドは連邦系MS、敵はジオン系MSとわかりやすくするため」といった、メタ的な理由も挙げられるでしょう。
ただ、現実の軍事史を振り返ってみると、敵軍の優秀な技術を自軍に取り入れることは決して珍しいことではありません。第二次世界大戦後のジェット戦闘機開発では、米ソ両軍がドイツの技術を参考にしており、F-86「セイバー」とMiG-15は基本的な設計に似通っている部分があります。
まとめると、ティターンズのジオン系MS採用については、技術的合理性と心理戦効果、そしてメタ的な制作上の都合が複雑に絡み合った結果、といったところではないでしょうか。
(マグミクス編集部)

