マグミクス | manga * anime * game

『ガンダム』フラウはアムロをどう思ってたの? 無防備な「愛情」と不確かな「恋心」

「アムロのガールフレンド」と説明されるフラウ・ボゥは、しかし、アムロと結ばれることはありませんでした。深い絆で結ばれているようにも見えるふたりですが、そこに恋愛感情はなかったのでしょうか。

そこに恋心はあったのか?

「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 クリアシートコレクション」(サンスター文具) (C)創通・サンライズ
「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 クリアシートコレクション」(サンスター文具) (C)創通・サンライズ

「フラウ・ボゥ」は結局のところ、「アムロ・レイ」をどう思っていたのでしょうか?

 アニメ『機動戦士ガンダム』公式サイトでは「アムロのガールフレンド」と記されているフラウですが、作中での彼女の言動を改めて見直してみると、決して恋人同士のような関係ではありませんでした。とはいえ「異性の友人」というだけにとどまらない関係にも見えます。

 ご存じのように、フラウとアムロの関係は、サイド7での日常から始まりました。第1話での彼女の様子を見る限り、まるで小さな「お母さん」のようにアムロの世話を焼く15歳のフラウには、「両親がそばにいないアムロのために寄り添う」という母性的な愛情が表れていたといえるでしょう。

 この時点で注目すべきは、フラウの愛情が決して「恋する少女」的な照れや駆け引きを含んでいなかったことです。むしろ、家族のような自然さで、アムロの生活を支えていました。「ホワイトベース」に乗ってからも、しばらくこの関係は続きます。そうした彼女の、言ってしまえば「無防備さ」は、計算のない純粋な愛情の現れといえそうです。

 そのような彼女に変化が訪れたのは、「マチルダ・アジャン」の登場からでした。アムロがマチルダに惹かれていることを察したフラウは、彼の部屋の前で待ちぶせし、「どこに行ってたの?」と悲しい表情で問いかけます。

 この場面は一般的に「嫉妬」として解釈されてきました。つなぎとめるためなら関係を結んでもよいと考えていた、ともいわれます。確かに、コレは恋する少女の言動そのものに見えます。

 あるいはそうなのかもしれません。ただこれ以降も恋愛的な駆け引きなどは皆無で、このとき芽生えた恋心は、自覚すら曖昧なまま雲散霧消していった、とも考えられるのではないでしょうか。

 恋心がともなわずとも、アムロが自分の手の届かないところへ行ってしまう不安や絆が薄れていく寂しさからの言動、つまり愛情や愛着のあらわれ、という見方もできるかもしれません。

 その後のアムロの変化は、まさに少年から大人への急激な成長でした。ニュータイプに覚醒し、地球連邦軍には欠かせない戦力となったアムロは、フラウが知っている「世話の焼ける少年」ではなくなっていきます。

 第35話でフラウが語った「アムロは……違うわあの人は。私たちとは違うのよ」という言葉や、第37話での「あたしなんかには届かなくなっちゃったのね」というセリフは、立派に成長した息子を誇らしく思いながらも、どこか寂しさを感じる母親の心境に近い、といえるかもしれません。「お母さん役」は終わったのです。

 最終的にフラウが「ハヤト・コバヤシ」を選んだのは、アムロという「息子」を立派に育て上げた彼女が、今度は「女性」として新しい家族を築こうとした、前向きな選択だったのではないでしょうか。

 ハヤトとの関係では、フラウは保護する側から保護される側、愛される側へと変化することができました。「カツ」「レツ」「キッカ」という子供たちと共に新しい家族を築いたフラウの姿は、「お母さん役」から「妻」そして「本当の母親」へと成長したともいえるでしょう。

 そう考えると、フラウのアムロに対する愛情は、確かに特別なものでした。しかしそれは恋愛感情というより、戦場という過酷な状況でお互いを家族のように思いあう絆で、それは恋愛よりもはるかに尊い関係だったといえるでしょう。

(マグミクス編集部)

【画像】近くね? こちらフラウとアムロの関係が見えるシーンです(3枚)

画像ギャラリー

マグミクス編集部関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

アニメ最新記事

アニメの記事をもっと見る