『ばけばけ』18週は「借金完済」が記事になってトキが差別される? 思い出されるラシャメンの話題
連続テレビ小説『ばけばけ』18週では、松野家がついに借金を完済するようですが、それによってまた別の問題も起きるみたいです。
梶谷が借金完済を記事にするらしい

2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、1890年に来日し、『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲さん(パトリック・ラフカディオ・ハーン)と、彼を支え、「再話文学」の元ネタとなるさまざまな怪談を語った、妻・小泉セツさんがモデルの物語です。
第17週85話の最後に流れた18週の予告では、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」の養家・松野家が物語初期に作った莫大な借金をついに完済することが語られました。一時期は一生かかっても返済できないほどの額だと言われていましたが、月100円の高給取りであるトキの夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」によって、一気に問題が片付いたようです。
続く第86話のあらすじを見ると、
「ついに、松野家の借金が返済完了する。感慨にふけるトキ、司之介(演:岡部たかし)、フミ(演:池脇千鶴)。銭太郎(演:前原瑞樹)も交えて借金完済パーティーが開かれる。そこに、ヘブンさん日録連載中の梶谷(演:岩崎う大)が訪れ、パーティーの理由を取材しはじめる。ヘブンのおかげで借金が返済できたと知った梶谷は早速翌朝の新聞に記事を掲載するが…町の様子にトキは違和感を覚える」
と書かれています。借金完済はめでたいですが、新聞記者・梶谷の記事のせいでなにやら不穏な事態が起きるようです。
『ばけばけ』公式X(旧:Twitter)で見られる2026年1月以降の物語の予告映像では、トキが自分のグッズの団扇の裏に「ラシャメン トキ」と書かれているのを見付け、ショックを受ける場面がありました。ヘブンが松野家の借金を肩代わりしたという記事によって、松江の人びとがトキをお金目当ての「洋妾(ラシャメン)」だと勘違いしてしまうのかもしれません。
トキのモデルである小泉セツさんは、ラフカディオ・ハーンさんとの結婚当初はひどい扱いを受けたようで、晩年に次男・巌さんの妻である翠さんに周囲から「洋妾、洋妾」と言われたことが一番辛かった、と語ったそうです。
また、セツさんは結婚したばかりの頃、新聞でもハーンさんの「妾」だと表記されたことがありました。1891年6月28日の山陰新聞(現在の山陰中央新報社の前身)の記事を見ると
「ヘルン氏(ハーンさんの呼び名)の妾は南田町の稲垣某の養女にて、その実家は小泉某なるが、小泉方は追々打ちつぶれて、母親は乞食とまでにいたりしが、この妾というは至って孝心にして、養父方は勿論、実母へも己の欲をそいで与える等の心体を賞して、ヘルン氏より十五円の金を与え、殿町に家を借り受け、道具等をも与え、爾来(じらい:「それ以来」の意味)は米をも与えることとなせりという」
と書かれています。
『ばけばけ』は第20週から「熊本編」に入ることも発表されていますが、梶谷の記事のせいでトキたちが偏見にさらされることが、引っ越しの一因になるのかもしれません。
また、ハーンさんは熊本に住んでいた頃(1891年~1894年)、一時期同居していた正義という隠岐の士族の子供をかわいがっていたものの、彼がラシャメンにまつわる唄を歌うと怒り狂い、すぐに実家に送り返したという逸話があります。
『ばけばけ』では、かつて「なみ(演:さとうほなみ)」がラシャメンについて、「縛られて石を投げ付けられるほどの差別を受ける」と語っていました。借金完済という幸福から一転、トキたちに試練が訪れそうな第18週に注目です。
※高石あかりさんの「高」は「はしごだか」が正式表記。
参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)、『セツと八雲』(朝日新聞出版)
(マグミクス編集部)

