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『風、薫る』33話 古川雄大演じる医師が使ってた器具「石炭酸噴霧器」が話題に

『風、薫る』第7週では、病院での実習が始まり、不衛生な手術シーンが話題になりました。

当時としては画期的な器具?

『風、薫る』主演の見上愛さん(2024年5月、時事通信フォト)
『風、薫る』主演の見上愛さん(2024年5月、時事通信フォト)

 2026年前期の連続テレビ小説『風、薫る』第7週からは、主人公の「一ノ瀬りん(演:見上愛)」と「大家直美(演:上坂樹里)」たちが、帝都医大病院での実習に入りました。りんたちがさっそく医師や以前から働いていた看病婦、クセの強い患者たちに戸惑うなか、第33話では現代では考えられない明治中期の「不衛生すぎる」手術や、そこで使われていた器具も話題になっています。

 第32話の最後では、りんの担当患者「園部弥一郎(演:野添義弘)」の容体が急変し、帝都医大のなかで「ドイツ留学帰りのトップエリート(公式サイト引用)」である医師「今井益男(演:古川雄大)」が、彼の足の傷口の縫合部分の再手術を行うことになりました。33話では、今井は白シャツにベスト、腰エプロンという姿で、マスクも手袋もせず手術を成功させています。

 SNSでは「今井教授、手術もスーツでするんですか。さすがに衛生的によくないのでは」「いや、手術着にも着替えないのかよ!衛生レベルが…」「この時代の手術シーンにびっくり!みんな手袋もうマスクも手術着も着ないの?衛生的に大丈夫なのか?」といった声が相次ぎました。

 製薬会社の大手・エーザイ株式会社が設立した内藤記念くすり博物館の公式サイトでは、明治時代の医療の衛生状態について

「医療現場や器具、医療スタッフの身なりを清潔に整えるルールの歴史は、比較的新しい。19世紀半ばまで、ヨーロッパの医師は手を洗わず、コートを着たまま手術や解剖を行い、術後のメスは上着のポケットに入れていた。江戸時代の日本でも、医師の診察室は自宅が一般的で、普段着のまま処置が行われた。その後の細菌学の発達により、手洗いの励行や手術室の無菌化などが進められた。白衣の医師や看護婦の姿が見られるようになったのは、明治20年代頃からである」

 と説明されています。りんたちが実習に入ったのは1888年(明治21年)なので、もうすぐ白衣姿の医師も現れるのでしょうか。

 また、手術中には見慣れない黒い器具がずっと蒸気を噴射していたことも話題になりました。こちらに関しては『風、薫る』の公式Xが、

「園部さんの手術のシーンで使われていたこちらは“石炭酸噴霧器” 空気中の細菌を死滅させるために、熱で気化した石炭酸を手術の際に噴霧するのだそうです」

 と解説しています。視聴者からは「当時の手術の仕方、再現されていたのですね!すごいです」「珍しい医療機器も見ることができ、こちらの知識も増える」「麻酔だと思ってました!こんなの初めて見まして驚きました!」「初めて見る医療器具、そんな効果があったのね…!(加湿器かな?とか思ってた)」といった反応が出ていました。

 この石炭酸噴霧器はジョゼフ・リスターというイギリスの医師が開発したもので、日本歯科大学新潟生命歯学部が運営する「医の博物館」のサイトでは、

「外科手術のあとに傷口が腐敗するのは大気中の細菌(微生物)だと考えて、(リスターは)石炭酸(フェノール)による防腐法(消毒法)を開発した。空気中の細菌を死滅させるため、熱で気化した石炭酸を手術時に噴霧したが、1867年に採用したこの防腐法により手足の切断術を行った患者の死亡率が激減する。

 石炭酸の噴霧により手術室内が耐え難い臭気に覆われたため、流水による手洗いが頻繁に行われたことが消毒や滅菌法の発展につながったと言われている」

 と説明されています。

『風、薫る』の原案書籍であり、りんのモチーフである日本初のトレインドナース・大関和(おおぜき・ちか)の生涯を描いた『明治のナインゲール 大関和物語』でも、当時は石炭酸が消毒に使われていたことが何度も記述されていました。

 これから時代が進むにつれて、リンたちの成長とともに医療現場が発展していくのも、本作の見どころになりそうです。

(マグミクス編集部 映画・ドラマ担当)

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マグミクス編集部 映画・ドラマ担当

年間300本以上劇場で見る映画好き。マンガの実写化作品で原作との違いを見るのも趣味としています。「NHK連続テレビ小説」は毎作チェックし、登場人物のモデルについても調べ、ドラマと史実との比較や小話などを発信しています。

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