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ハマーン様の男運を丁寧に考える 去ったシャア、裏切ったグレミー、倒したジュドー

『機動戦士Zガンダム』から登場したハマーン・カーン、ファンのあいだでは「男運がない」とも評されますが、その内実を丁寧に整理すると、少し違う顔が見えてきます。

ハマーン様にも読めなかったもの

「GGG 機動戦士Zガンダム ハマーン・カーン」(メガハウス) (C)創通・サンライズ
「GGG 機動戦士Zガンダム ハマーン・カーン」(メガハウス) (C)創通・サンライズ

 2026年3月で、『機動戦士ガンダムZZ』はTV放送40周年を迎えました。そのラスボス、ハマーン様こと「ハマーン・カーン」といえば、「男運のなさ」に定評があるといっても過言ではないでしょう。

 彼女の人生に深く関わった男性たちの顔ぶれを並べてみると、なるほど、とうなずかざるを得ないものがあります。「シャア・アズナブル(とカミーユ・ビダン)」「グレミー・トト」「ジュドー・アーシタ」――彼らのことです。

 まずシャアです。ハマーンが恋心を抱いていたことは、ふたりで撮影した写真や、『機動戦士Zガンダム』での交戦シーンからも明らかでしょう。シャアはすでにアクシズを去ってエゥーゴへ参加しており、戦場で相まみえたハマーンは「私の元に戻れ」と迫りますが、拒まれます。交戦シーンの声音には、指導者としての威圧ではなく、明らかに女性としての感情が滲んでいたといえそうです。シャアが去ったのは彼なりの合理的な選択だったと見ることもできますが、ハマーンにとって彼は、そうした冷静な目で見られる相手ではなかったのでしょう。

 同じことは、カミーユとの関係にも見られます。戦場での精神共鳴をきっかけにカミーユを気に入ったハマーンは接近を試みますが、立場の違いから進展はありませんでした。シャアのときと同じく、自ら求めた者と寄り添えなかったのです。こうした経験の積み重ねが、以降の判断にどれほどの影を落としていたか、想像するのは難くないでしょう。

 次がグレミーです。ハマーンはグレミーの野心に気づいていながら、反乱を未然に防げませんでした。グレミーが動いたのは、ネオ・ジオンがようやく組織として安定し始めたころ、しかしまだ不安定な要素も多く抱えていた時期のことです。この局面に反乱を起こすのはグレミー自身にとっても大きなリスクを伴う選択であり、合理的な計算を度外視した無謀な動きでした。理屈から外れた迂闊さを、ハマーンは想定できていなかったのでしょう。

 そしてジュドーです。ハマーンが最終的に退けられる相手は、感情的でエネルギッシュな若者でした。周囲が大人ばかりの環境で育ったハマーンにとって、子供らしい感情の爆発はそもそも理解の外にあったのかもしれません。彼女自身が「子供らしい時代」を持てなかったことの、皮肉な因果でしょうか。

 整理してみると、ハマーンの「男運のなさ」は、それぞれ異なる形で感情に足をすくわれた結果だったといえるかもしれません。シャアとカミーユへの思いが自らの判断を歪め、グレミーとジュドーには相手の感情的な行動を読み切れませんでした。外部の政治的な駆け引きでは卓越した判断力を発揮する一方で、感情がからむ局面だけは、どこか別のものさしが必要だったのでしょう。

 そうしたことも含めて男運がなかった、といえばそれまでですが、自らも含め人間の感情というものをもっとよく知り、コントロールし、発露できていたなら、違った展開もあったように思えます。ただそうなると、もはや我々の知る「ハマーン様」ではなくなってしまうかもしれませんね。

(マグミクス編集部)

【画像】ミネバ様もお笑いに? こちらカミーユ相手に乙女顔なハマーン様+αです

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