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『風、薫る』亀吉のモデルには妾が多数いた? カットされた「六郎」という長男の名前の由来は「もう子供が5人いたから」

『風、薫る』ではりんの夫・亀吉のクズぶりが話題を呼んでいます。

朝ドラでは稀に見るスピード離婚

亀吉役の三浦貴大さん(2021年5月13日撮影、時事通信フォト)
亀吉役の三浦貴大さん(2021年5月13日撮影、時事通信フォト)

 2026年前期の連続テレビ小説『風、薫る』では、第2週で主人公のひとり「一ノ瀬りん(演:見上愛)」が18歳年上の「奥田亀吉」に嫁ぎ、7話で娘の「環(演:宮島るか)」を出産、8話では亀吉や、義母の「貞(演:根岸季衣)」のひどい仕打ちの数々に耐え切れなくなり、りんが「奥さまやめる」と言い出すスピード展開を迎えました。

※この記事では『風、薫る』のネタバレに触れています。

『風、薫る』公式サイトの明日9話のあらすじを見ると、「りん(見上愛)と環(宮島るか)は東京へ」と書かれており、8話の最後で母「美津(演:水野美紀)」が言っていた通り、親戚「信勝(演:斉藤陽一郎)」を頼って上京するようです。

『風、薫る』の原案となっている、歴史学者の田中ひかるさんの書籍『明治のナイチンゲール 大関和物語』ほか関連書籍を読むと、りんのモデル・大関和(おおぜき・ちか)が18歳だった1876年に22歳年上の柴田豊之進福綱という地主として成功した士族の男性に嫁ぎ(後妻)、1880年に離婚したことが書かれています。

 たった2話でりんに愛想をつかされた亀吉は、主に「酒乱」「マザコン」「嫁への嫌味」「女性蔑視」などが問題点でしたが、モデルの豊之進には妾が多数いたそうです。法律で妾が妻と同等の二親等に定められていた明治の時代では珍しい話ではありませんが、さすがに朝ドラではふさわしくないので、妾の話題はカットされたと思われます。

 和は嫁ぐ前に、豊之進に妾たちとの関係を清算するよう条件を出していたものの、結婚後も彼と妾の関係は続いていました。特に千代という、会津藩出身の妾がいる家に入りびたり、彼女との間に生まれた子供たちを可愛がっていたそうです。

 また『風、薫る』ではりんと亀吉の子供は環ひとりですが、実際は1877年に生まれた長男・六郎と、1880年に生まれた長女・心がいました。豊之進と離婚し柴田家を出ていくと決めていた和は、心を実家で産みたいといって大関家に帰り、そのまま手紙で離縁の意思を伝えています。

 ちなみに、長男が六郎という名前だったのは、単純に豊之進が妾たちとの間に5人の子供を作っており、彼が6番目の子供だからでした。和が離婚を考えるようになったのも、この仕打ちが大きな要因になったようです。豊之進は離婚後も跡取りになるはずだった六郎を取り戻そうと、何度か大関家を訪れたそうですが、和は絶対に渡さず、1881年に子供たちふたりと上京しています。

 娘の名前を考えるのを面倒くさがり、りんに丸投げした亀吉もひどい男ですが、モデルよりは多少マシかもしれません。

※参考:『明治のナイチンゲール 大関和物語』(中央公論新社)、『大関 和 看護に人生を捧げた日本のナイチンゲール』(KADOKAWA)

(マグミクス編集部 映画・ドラマ担当)

【画像】え、「確か整ってる」 コチラが「地元で評判の美人」だったといわれる『風、薫る』りんのモデル人物です

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マグミクス編集部 映画・ドラマ担当

年間300本以上劇場で見る映画好き。マンガの実写化作品で原作との違いを見るのも趣味としています。「NHK連続テレビ小説」は毎作チェックし、登場人物のモデルについても調べ、ドラマと史実との比較や小話などを発信しています。

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