【声優・本多真梨子のマンガ愛(17)】もはやホラーな不倫マンガ。読者と語り合う楽しみも
マンガをこよなく愛する声優、本多真梨子さんが、心からおすすめしたいマンガを語ります。第17回は、妻に不倫「された」側を描いたマンガ。予測不可能、続きが気になりすぎる物語に、恐怖しながらついていくしかない……?
震えが止まらない…!不倫《された》側の地獄。
私、恐ろしいマンガと出会ってしまいました。読めば読むほど震えが止まらない、でも続きが気になって読み進めてしまう、恐ろしいマンガです……。恐ろしいですが、面白いので皆さんにご紹介させてください。
その名も『サレタガワのブルー』
読み始めるまでは、タイトルの意味がよくわからなかったのですが、こちら……
不倫マンガです。
された側のブルー!?
そういうことか…!!!!と理解。
この作品は、不倫《する》側ではなく、《された》側のお話。これだけでも珍しいですが、なんと《男性が不倫されるマンガ》です! 女性視点の不倫マンガは読んだことありますが、男性が不倫されるお話って……すごく珍しい気がします。私は初めて読みました……!
あらすじは……主人公は「田川 暢(たがわ のぶる)(26)」。在宅ワークでグラフィックデザイナーの仕事をする夫。外で働く妻は「田川 藍子(たがわ あいこ)(29)」。夫のぶるは、在宅ワークながらも妻の倍は稼ぎ、すべての家事こなす、優しい愛妻家。大好きな妻と一緒にいられることに最大の幸せを感じていた。そんな幸せが、音を立てて崩れ始める……。
主人公ののぶくんは、世の中の女性から見たら完璧超人の理想夫だと思うんですよ! 正直この人を裏切って不倫する意味が本多には分からないのですが……妻あいこは、読者の理解を超えた恐ろしい行動をしてきます。本当に怖い。
「イッテルイミガ!! ヤッテルコトガ!! ヨクワカラナイ!!!」と、何度カタコトで叫んだことか。
この作品の不倫《する》側の女、あいこの言動と考え方に、みんなついていけなくなります。
この作品はマンガアプリ「マンガMee」にて連載中で、読者のコメントが見られるのですが、コメントでみんな「あいこ」のことを「アイコパス」と呼んでいます。あいことサイコパスをかけているんですが、その言葉が本当に気持ち良いくらいハマるキャラクターなんです(笑)。
アイコパスが酷いのはもちろんですが、その後登場する多種多様なキャラクターもほんとに酷い。普通の人間からしたら、理解をはるかに超越した考え方。こわい! こわいよ!!
でもこの怖いという感情さえも、コメントを読んだり書き込んだり、他の読者さんと共有することで、とても盛り上がれる作品なのです!
そういえば、このマンガのトップページのイラストに「読めば必ず、不倫したくなくなる」と、まるでホラーの入りのような文面がありましたが、うんうん。本当にそれ。読めば読むほど怖すぎて、不倫する側とされる側、双方地獄に落ちていく感覚があります。そして、その感想を読者のみんなとコメントで共有するという一連の流れ。
個人的には、番外編のたみくんのお話をぜひ読んで欲しいです。ネタバレしていいのか分かりませんが、びっくりするほど怖いです。このマンガ、実は「ホラー」ジャンルなのでは?? と思ってしまいます。
毎度続きを読みたくなる「次回へ続く」の引きの力もすごい強いんですよね。「え? え!!?」って、本当にびっくりする予想外な展開だったり……そういう所もこの作品の魅力かと。
そしてもちろん!!清々しい瞬間もあります!
「あーーー!!気持ち良!!!」ってなることも。アイコパス撲滅!!!
推しのポイントがいっぱいなので、話がガンガン飛んでしまってすみません!でも、それだけ見どころのある作品です!
「マンガMee」で連載中。『サレタガワのブルー』(著者:セモトちか)。
ここで皆さん…すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが……タイトルをもう一度よく見てみてください。
「サレタガワのブルー」 何か気づきませんか……?
サレタガワのブルー
された側のブルー
された側のぶる
サレ田川暢
!!!!
これを先生のコメントで知った時、めちゃくちゃ衝撃を受けました。セモト先生は天才なのかと! いろんな意味を含むタイトルです。
ぜひ、この切ない不倫という題材を使った、恐ろしいホラーマンガを……お読みください。
どうぞ、沼はこちらです…。(にっこり)
(本多真梨子)