【祝ドラマ化】岸辺露伴の魅力が光るエピソード3選。『ジョジョ』屈指の愛され偏屈キャラ
荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズに登場する孤高の天才漫画家・岸辺露伴。彼を主人公としたスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』が、高橋一生さん主演でドラマ化され、2020年末に放送されます。2021年春にはNetflixでOVAの配信も予定されています。同作の魅力がわかる、珠玉の3エピソードを厳選して紹介します。
初登場時はひたすら不気味な人物だったが…

2020年の年末、日本で空前の“露伴”ブームが巻き起こりそうです。
累計発行部数1億部超えの人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険」(以下「ジョジョ」)シリーズに登場する若き天才漫画家・岸辺露伴。
作者・荒木飛呂彦氏が「漫画家の理想像」とする彼は、まさしく天才であり、そして偏屈キャラでもあります。相手を本にして操るスタンド能力を駆使し、自身の美学に基づく行動と名言を連発します。『ジョジョ』を未読でも、露伴は知っているという方は多いのではないでしょうか。
そんな露伴を主人公にしたスピンオフ作品集『岸辺露伴は動かない』が、高橋一生さん主演で2020年12月28日よりNHKで3夜連続SPドラマとして放送されます。さらに、2021年春にはNetflixでアニメ化も決定しており、年末年始はまさに露伴ブームが巻き起こる予感……!そこで今回はジョジョ屈指の人気キャラ岸辺露伴の魅力に迫る3つのエピソードをご紹介します。
●「味もみておこう」 読者に衝撃を与えた初登場シーン(34巻)
何といっても衝撃的だったのは、『ジョジョ』第4部「ダイヤモンドは砕けない」の「漫画家のうちへ遊びに行こう」(34巻)、露伴の初登場シーンです。杜王(もりおう)町に人気漫画家・岸辺露伴が住んでいることを知った広瀬康一が露伴の邸宅にサインをもらいにお邪魔するのですが……ここから先がなかなかのホラー展開。
「人間関係がイヤで漫画家という仕事を選んだ」と語る露伴の手腕はまさに神業。ペンを一振りすればベタ塗りは完了。難しい構図を下書きなしで描きあげ、康一を圧するのですが、だんだんと露伴の狂気が顔を覗かせます。リアリティの追求を信条に掲げる彼は、蜘蛛(くも)の観察ひとつとっても抜かりはなく、蜘蛛の腹を潰しては「味をみておこう」とペチャペチャ舐めまわす始末。そして露伴の好奇心は遂に康一へと向かい……。
結果として、露伴は康一を助けにきた主人公・東方仗助たちに大怪我を負わされるのですが、そんな瀕死の状態でも露伴は今後の作品のために今しがたの経験をメモします。この善悪を超越したプロ意識に、曲者ぞろいの4部キャラたちですら、ただ呆れ返るばかり。そして、こんな露伴の姿を「漫画家の理想像」とするのですから、荒木飛呂彦氏のストイックぶりにも脱帽するエピソードです。