ハマる人続出の『ウマ娘』は、ゲームの歴史とリアルが結実した「完成形」か?
2021年2月24日にリリースされて以降、人気沸騰中のゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』。擬人化した名馬たちの育成にドハマりする人が続出している背景には、過去数十年にわたり連綿と紡がれてきた育成ゲームの歴史が大きく関係しているのではないでしょうか。
「育成」という行為は面白いもの
スマートフォンゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』がリリースされて以降、TPの回復など待っていられずタフネス30を飲みまくり、それでも全く足りずにジュエルをバンバン使用してプレイし続けていますが、手が止まりません。
単純に見えて丁寧に深く作りこまれた育成システム、勝利がもたらす栄光と敗北による挫折の入り混じるストーリー、勝利のウイニングライブ、育成終了後の因子確定の瞬間まで楽しさと緊張に満ちあふれたゲーム性は、現時点で育成ゲームの頂点にいると言っても良いのではないでしょうか。スペシャルウィークの「全身全霊」など、サポートカードのイベント発生時に取得可能になるスキルに一部ランダム性がある点さえ改善されれば、なお良いのですが。
それにしても、「キャラクターの育成」はなぜこんなに面白いのでしょうか。ゲームの世界では過去、多くの名作育成ゲームが誕生してプレイヤーを楽しませてきました。『ウマ娘』のようにストーリーと育成をからめながら進んでいくシステムとしては、『実況パワフルプロ野球』が真っ先に名前の挙がるタイトルかと思います。その他にも『モンスターファーム』や『ドラゴンクエストモンスターズ』、『アイドルマスター』、『ポケットモンスター』と、シリーズ化していった名作は枚挙に暇がありません。
日本のゲームの歴史は育成とともにあると言っても過言ではないのでしょう。頑張って育てたキャラクターを戦わせて勝利する快感を多くの人が知っているからこそ、いま、『ウマ娘』にハマる人が続出しているのでしょう。
さらにさかのぼれば、育成ゲームには「ときめきメモリアル」と「プリンセスメーカー」という、ふたつのシリーズが存在しています。自分を鍛えて意中の相手を射止めるゲーム、娘を鍛えてその後の人生を歩む手助けをするゲームと、多少方向性の違いはありますが、限られたスケジュールのなかでパラメータを強化し、望む結果を得るために試行錯誤を繰り返すという基本的な部分は共通しています。自分だろうと娘だろうとモンスターだろうとウマ娘だろうと、「育てる」面白さは同じなのです。