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9月2日は「グフの日」 姫のために戦った、青いMSに乗る2人の武人

一年戦争でガンダムと何度も死闘を繰り広げたMS「グフ」。そのパイロットとして、後に語り継がれることになったふたりの武人がいました。そして、ふたりには忠誠を尽くす「姫」とも呼べる存在がいたのです。

部下からの信頼厚き「青い巨星」ランバ・ラル

原案:矢立肇・富野由悠季、著:安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』第5巻(KADOKAWA)
原案:矢立肇・富野由悠季、著:安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』第5巻(KADOKAWA)

9月2日は、語呂合わせから「グフの日」と言われています。 グフと言えば、『機動戦士ガンダム』で一年戦争中にガンダムを苦しめたMS(モビルスーツ)として知られています。今回はそのパイロットにスポットを当ててみましょう。

 今までザクとしか戦っていなかったアムロ・レイの操縦するガンダムの前に、初めて現れたジオン公国軍の新型MSが「YMS-07B グフ」でした。右腕に伸縮式の電磁鞭「ヒート・ロッド」、左腕には牽制用の「5連装75ミリマシンガン」、そして「グフ・シールド」、それに搭載された「ヒート・サーベル」と、地球連邦軍のMS量産を見越して格闘戦用に特化した地上用MSです。

 それまでのジオン公国軍主力量産型MSザクを上回るパワーと、巧みなテクニックでアムロを驚愕させたグフのパイロットこそが、「青い巨星」の名前で知られたランバ・ラル大尉でした。軍のなかで出世コースから外されたランバ・ラルは、上官であるドズル・ザビ中将から弟ガルマ・ザビの仇討ちを命じられ、内縁の妻クラウレ・ハモンや部下たちの生活のため、自分の主義に反しながらもガンダムと母艦であるホワイトベースの打倒を果たそうとします。

 実直な性格のため、器用に立ち回れずに損をすることもありますが、部下からの信頼も厚く、その生き方を含めて心酔するものも多くいました。

 例えば、ホワイトベースにゲリラ戦を仕掛けた時、ランバ・ラルはフラウ・ボゥを見逃すだけでなく、隠れるように言います。部下であるクランプもまた、キッカ・キタモトをかばうミライ・ヤシマに下がるよううながしていました。自身をゲリラ屋と言いながらも、女子供に対する人間らしい優しい気持ちを忘れない。しかも、それを部下にまで浸透させているランバ・ラルは、まさに軍人の鑑と言えるかもしれません。

 このランバ・ラルと出会ったことでアムロ・レイは人間的に大きく成長します。実父であるテム・レイが父親の役目を果たさなかったことで、父性に触れていなかったアムロにとってランバ・ラルは父親と言える存在だったのかもしれません。「僕はあの人に勝ちたい」……とアムロは言いましたが、それは力ではなく人間的な意味だったのでしょう。

 そんなランバ・ラルの最期は皮肉なことに「姫様」と守るべき存在だったセイラ・マス、アルテイシア・ソム・ダイクンと戦場で敵味方として出会ったことでした。それが直接の原因ではありませんが、このことで「戦いのなかで戦いを忘れる」という失策を犯し、結果的に自決という道を選ぶこととなってしまいます。

 後に『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』で幼い日のアルテイシアとの関係が描かれました。もしもランバ・ラルが忠誠を誓う人物がいるとすれば、それはアルテイシアに対してだったろうと筆者は思います。それゆえ、本来なら守るべき者と戦場で対峙してしまったランバ・ラルの胸中は、いかほどのものだったのでしょう。

【画像】人気のMS「グフ」の姿(5枚)

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