声優・鈴村健一のデビューは偶然の出来事 少年を思わせる演技でファンを引き付ける魅力
9月12日は鈴村健一さんのお誕生日です。シン、沖田、リュウタロスなど、いつまでも少年のようなトーンの声が魅力ですが、デビューのきっかけは偶然の出来事からでした。
偶然から声優に、そして大物に挟まれた新人デビュー
9月12日は声優の鈴村健一さんのお誕生日です。おめでとうございます! 鈴村さんと言えば、少年役のイメージが強いのですが、演じられたキャラを見るとタイプはさまざま。そう思ってしまうのは持って生まれた声質が、いつまでも少年のようにさわやかだからなのかもしれません。
実は鈴村さん、調理師の道を歩もうと専門学校の願書を取り寄せていたのですが、たまたま友人と一緒に受けた声優オーディションに合格し、そこから声優への道を歩み始めたそうです。ちなみに一緒に受けた友人は不合格。しかし、この偶然が鈴村さんという名声優誕生のきっかけになったわけです。
デビュー作は『マクロス7』(1994年)のモーリーという新人パイロット役で、隊長のガムリンを演じたのは子安武人さん、同期の同僚であるディックの声は三木眞一郎さんという、振り返ってみると豪華な面々での掛け合いでした。ちなみにモーリーは途中からとはいえレギュラーキャラで、鈴村さんはデビュー作にして名前のあるレギュラーキャラ役を射止めたことになります。
しかし、それから数年は声優だけでは生活が難しい程度の仕事しかできず、苦難の時期が続きました。それでも『時空転抄ナスカ』(1998年)では、主人公の三浦恭資で初の主演作を演じることになります。
それから徐々にメインキャラを演じる頻度が増えてきました。『爆走兄弟レッツ&ゴー!! MAX』(1998年)の真嶋左京、『KAIKANフレーズ』(1999年)の桐生敦郎、『GEAR戦士電童』(2000年)のスバルなどが、この当時で筆者の印象に残っているキャラたちです。
そして徐々に『X -エックス-』(2001年)の司狼神威、『超重神グラヴィオン』(2002・2004年)の紅エイジ、『デジモンフロンティア』(2002年)の木村輝一/レーベモン他、『ななか6/17』(2003年)の凪原稔二といったメインキャラを多く演じるようになりました。
その後、鈴村さんが一躍脚光を浴びることになったキャラが、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(2004年)のシン・アスカです。「ガンダム」シリーズの主人公であり、作品的にも反響の多かった作品だったことから、このシンを演じたことで鈴村さんの知名度は一気に上がりました。
そして、もうひとつのターニングポイントになったキャラが、『銀魂』(2006年~)の沖田総悟です。長年、演じることになった沖田のキャラ人気に押される形で、鈴村さんは一般的にもよく知られる声優のひとりとなったのでした。