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重要な伏線?遊び心?『ワンピース』の動物系「悪魔の実」の可能性を感じる技たち

大人気マンガ『ワンピース』の劇中に出てくる「悪魔の実」の分類のひとつ「動物(ゾオン)系」の能力は、人間から恐竜、伝説の生物まであらゆる生物の能力を手に入れられるというもの。しかし、時には生物の能力の範囲を超えているような技まで繰り出す能力者も。そんな動物系の可能性を感じる技の数々を紹介します。

悪魔の実の謎にも関係するかもしれないトンデモ技の数々

ヒトヒトの実の能力で言葉が話せるようになった、トナカイ・チョッパー。画像は「フィギュアーツゼロ ONE PIECE トニートニー・チョッパー」(BANDAI SPIRITS)
ヒトヒトの実の能力で言葉が話せるようになった、トナカイ・チョッパー。画像は「フィギュアーツゼロ ONE PIECE トニートニー・チョッパー」(BANDAI SPIRITS)

 週刊少年ジャンプの人気マンガ『ワンピース』に出てくる、謎多き「悪魔の実」は、「超人系」「自然系」「動物(ゾオン)系」の3種類に分類されます。そのなかの動物系は文字通り、食した者に動物(絶滅生物、幻獣などの場合もあり)の能力が宿り、その力を使うことができます。

 身体能力が上がるだけでなく、例えば肉食の場合はその狂暴性も身につくといった点も、動物系の悪魔の実の特徴です。能力者は基本的にはその動物の特徴に沿った技や戦い方をしますが、なかにはその動物からはかけ離れたギャグ的な要素があったり、能力が動物から飛躍しすぎたりと、マンガらしい荒唐無稽な描写もしばしば……。今回は、動物系の実の可能性を感じる超絶技の数々を紹介します。

●チョッパー(ヒトヒトの実)「ランブルボール」

 チョッパーが開発したランブルボールとは、動物系悪魔の実の変形の波長を狂わせる丸薬のことで、これを食べることにより3つしかない動物系の実による変身形態を7つまで増やすことができ、技の幅も大きく広がります。独自の研究によってある程度チョッパーの思うがままに形態を増やしていったようですが、この薬には悪魔の実の「改造」がなぜ可能なのか、という重要な秘密が隠されていると予想されます。

●カク(ウシウシの実 モデル「麒麟(ジラフ)」)「パスタマシン」

 長年、船大工としてスパイ活動していた世界政府の秘密組織・CP9の1人で、リーダーのロブ・ルッチに次ぐ実力者という描写もあったカクですが、キリンになる動物系の実を食べたことで、その能力に自分自身も振り回されることになります。

 特にこの「パスタマシン」は、首を押し込めたことで手足が代わりに伸びてしまうという、現実ではありえないような偶然の産物から生まれた技。ゾロからも「そんなキリンいねえ」と突っ込まれてしまう一幕もありました。キリンでありながらなぜこんな現象が起きてしまったのか、もしかすると単なるギャグではなく、何か理由が隠されている可能性もあります。

●センゴク(ヒトヒトの実 モデル「大仏」)「衝撃波」

 海軍の全兵を統べる最上階級「元帥」だったセンゴクの能力は「大仏」に変身すること。まだまだ能力を使っている描写は少なく、能力を使うと巨大化し大仏のような身体になることしか分かっていませんが、頂上決戦では黒ひげにむけて衝撃波のようなものを放っており、読者に衝撃を与えました。

 悪魔の実の能力か“覇気”によるものかは定かではないですが、「大仏って衝撃波打てるの!?」という読者の疑問の声もちらほら……。現実ではあくまでも人工物である「大仏の実」というところとも合わせて、何か謎が明かされる日は来るのでしょうか……?

●ササキ(リュウリュウの実 モデル「トリケラトプス」)「ヘリケラトプス」

「ワノ国編」でルフィたちが戦う『百獣海賊団』の幹部格“真打ち”のなかでも最強と言われる飛び六砲の1人、ササキ。そのトリケラトプスの能力はササキ自ら「最強生物」と称するように、かなりの強敵感がありましたが、その戦い方は読者の予想とは大きく異なるものでした。

「ヘリケラトプス」は、トリケラトプスのトレードマークでもある後頭部のフリルを高速旋回させて空中飛行し、さらにそれをチェーンソーのような回転する刃物として使い攻撃するという技。フランキーの「恐竜ってそうなのか」という当然の疑問にもササキは「トリケラトプスはこういう恐竜だ」と言い切っています。

 前述のカクの「パスタマシン」とも似ていますが、本人が実際の生物との差異を認識した上でこの能力を使っているという点が大きく違います。こうした変異は、どうやらただの「能力の暴走」ではないということが分かりました。動物系の能力者が多くいる「ワノ国編」でさらに核心を突くような展開はあるのか、気になるところです。

 今回紹介したのはほんの一例で、まだまだこれからも動物本来の能力から飛躍したような動物系の技が出てくるかもしれません。なかには「あの技はただのギャグだった」という可能性もありますが、悪魔の実の謎が全て解明した時にはもしかすると何かの伏線になっていた……といった結末も考えられそうです。そろそろクライマックスを迎えるという『ワンピース』。悪魔の実の秘密からも目が離せません。

(ハヤサカコウキ)

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