『BLEACH』敵キャラのかっこいい負け様5選。名言・名シーンは散り際に…「心か」
久保帯人氏による大人気マンガ『BLEACH』は、2016年の連載終了後も、根強い支持を得ています。特に、同作のおしゃれな雰囲気やセリフの言い回し、キャラデザインはファンに愛される大きな特徴です。今回はそんな『BLEACH』のキャラクターたちが敗北したシーンに注目し、魅力的な敵キャラのかっこいい負け様を5つ紹介します。
かっこよさは負けっぷりに表れる?

アニメやマンガで印象に残るシーンのひとつが、バトルの決着のシーンです。相手を打ち倒す勝者の姿も心を動かされるものがありますが、人気作といわれる作品では、それに対する「負けざま」においても名シーンが多いものです。
今回は、かっこよくておしゃれなエピソードやセリフで少年から大人まで多くの読者を魅了してきたマンガ『BLEACH』において、魅力的な敵キャラのかっこいい負けざまや、印象的な負けシーンを5つ紹介します。
●更木剣八(VS黒崎一護)
常に強敵と戦うことを求める戦闘狂である更木剣八(ざらきけんぱち)は、尸魂界編で主人公たちを圧倒します。斬魄刀(ざんぱくとう)の能力を開放する「始解」すらしない(できない)まま一護を追い詰めますが、斬魄刀との対話により覚醒した一護に倒されてしまいます。
それまでは斬魄刀をただの道具としか思っていなかった剣八ですが、そこに一護との差を痛感し、初めて斬魄刀の対話を試みるも返答はなし。悔しさを前面に出すという、彼にしては珍しい姿を見せるのですが、ここでの悔しさが後の成長につながるというのが明確に描かれており、剣八のかっこよさをさらに引き立てます。
●コヨーテ・スターク(VS京楽春水)
スタークは、死神の敵である破面の最強集団・十刃(エスパーダ)のなかでも#1(プリメーラ)の数字を与えられた実力者ですが、何事に対してもやる気のない態度を見せ、戦闘にも積極的には参加しない不気味さがあり、そのギャップに魅力を感じる読者も多かったでしょう。
京楽と戦った時にも、どこか目の前の敵に集中できていない様子があり、不意打ちを喰らうことに。スタークは、自らの強さ故に仲間ができなかった背景や、ようやくできた仲間への深い想いが戦闘中に明かされます。全力で戦えない理由にもどこか納得感があり、最後まで彼らしく敗れていったところが、強い印象を残しました。
●市丸ギン(VS藍染惣右介)
市丸ギンは、不敵な笑み、どこか含みのある発言、特徴的な京都弁すら怪しさを感じさせ、初登場時から明確に「敵」として描かれてきました。護廷十三隊の隊長をしていた頃から周りの信用は得られていない様子で、尸魂界を裏切った後も、仲間から「まともな者なら誰でも君に警戒心は抱く」と評されています。
ギンはどこにいっても誰に対しても意味ありげな振る舞いでしたが、市丸にとっても最強の敵だった愛染に対して一世一代の勝負に出た時に、それまでの行動が”愛”のためだったことが明らかになります。ギンの勝負は惜しくも失敗に終わりますが、最後には主人公の一護に心から全てを託して散っていきます。
●アスキン(VS浦原喜助)
アスキンは、「千年血戦篇」で尸魂界を襲撃する「見えざる帝国」聖十字騎士団のひとり。指導者・ユーハバッハの親衛隊のひとりに抜擢されるなど確かな実力を備えています。アスキンの「致死量」を操るという厄介な能力や、慎重すぎるほど慎重な性格から、死神たちも大苦戦します。
彼の口癖でもある「致命的」な展開に持ち込まれるとなかなか抜け出せないため、あらゆる事態に対処できる死神界きっての曲者・浦原喜助が対峙することになります。お互い、策に策を重ねた結果、意外なキャラの登場で戦いは結末を迎えますが、特大の置き土産と相手への賛美を残して散っていくアスキンの姿には、「かっこいい」「おしゃれ」と、賞賛の声があいついでいます。
●ウルキオラ(VS黒崎一護)
ウルキオラは、十刃のなかで最初に登場し、愛染からの信頼も厚かったことから、一護からも一番強い破面(第1十刃)だと見られてました。その冷たい見た目から想像できる通り、感情はほとんど見せることもなく、他人の命はもちろん自分の命にすら興味がないような言動・行動をしていましたが、織姫や一護と接しているうちに少しずつ「心」について興味を持っていくことに。
一護との激しい戦いのなかでも密かにその問いに近づいていきますが、答えにたどり着いたのは、ダメージによってウルキオラの体が崩れ、消え去る間際でした。
敵同士ではありながら、最期には織姫と一護、そして自分との間に「心」のつながりというものを感じて消えていくシーンは、『BLEACH』屈指の名シーンといえるでしょう。
今回紹介した5人のほかにも、『BLEACH』には魅力的な敵キャラがたくさん登場します。時には主人公たちの輝かしい勝ち姿だけではなく、物語にはなくてはならない敵サイドのかっこいい負け姿にも注目して作品を楽しんでみてはいかがでしょうか?
(ハヤサカコウキ)
