『BLEACH』護廷十三隊は「ダメ上司」だらけ? 弱いけど上司にするなら「平子真子」一択なワケ
『BLEACH』には、魅力あるキャラクターが数多く登場します。特に「護廷十三隊」の隊長格は、個性豊かでファンからの人気もトップクラスのキャラがたくさんいます。一方、現実世界で彼らが自分の上司だったらどうでしょう。猪突猛進でクセのある人物も多いため、振り回されて苦労する可能性大です。ただ、そんななかでも特に常識人で頼れる上司キャラもいるのです。
戦績はイマイチでもフォロー上手な平子真子
『BLEACH』に登場する「護廷十三隊」の隊長格のなかには、圧倒的な実力を持ちながらも、後先を考えず行動する人が少なくありません。実際に「千年血戦篇」の序盤では、奇襲されたにも関わらず、無策のまま滅却師(クインシー)に挑み、さらなる劣勢に立たされる隊長格もちらほら……。ただ、イノシシが多い隊長格のなかでも、平子真子は組織の統率力や部下の管理能力という点において、理想の上司と読者から一定の支持を集めています。実は平子は対戦相手との相性もあり、「千年血戦篇」での戦績はかなり微妙なのですが、情の厚さやリーダーシップがうかがえるエピソードがいくつもあるのです。
※この記事では、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。
●腹に一物を抱えない貴重なキャラ
平子は自分の仲間(死神)はもちろん、出会った人間のことを気にかけてくれます。平子が初めて黒崎一護と出会ったとき、一護は制御できない「内なる虚」に苦しんでいました。平子は「仮面の軍勢(ヴァイザード)」の仲間とともに、一護が虚化をマスターする手助けをします。
その後も一護の味方として第一線で戦ったり、銀城空吾の埋葬を巡って一護の心情を慮(おもんばか)るような発言をしたり、気遣いができる人です。当初の平子の目的は、虚化の力を得た一護を仲間にすることでしたが、一護と直接会う機会が少なくなってからも、自分の損得なしに一護を思いやっているのです。
強力な力を持つ一護を利用しようと近づくキャラが多いなか、最初から最後まで悪い腹づもりなく味方であり続けました。
●マネジメント能力が高い
平子は複数の組織でリーダーを務めた経験があります。110年前には護廷十三隊の五番隊隊長、続いてヴァイザードのリーダー、最後は護廷十三隊の五番隊隊長に復帰しました。
最初に五番隊隊長を務めたときは、結果的に藍染惣右介の襲撃で隊を離れることになったものの、藍染の不穏な動きを警戒していました。また、あえて藍染を部下にすることで自分の監視下に置くなど、リスク管理を行っていたのです。結果的に出し抜かれて尸魂界を追放されたことは評価が別れる点ですが、それも平子らしさではないでしょうか。
その後、現世ではヴァイザードのリーダーとして追放された死神をまとめ上げています。平子のフランクで緩い雰囲気のおかげか、隊員同士の仲は良好。平子と同じく、一護に対しても非常に親切に接している組織といえるでしょう。本作では組織内での裏切りや殺し合いが横行していますが、長期間にわたるヴァイザードの団結力から察するに、平子のマネジメント能力は高いといえるでしょう。
ただ、ヴァイザードの戦績も他の組織と比べると芳しくないため、「良い組織=強い組織」ではないのが『BLEACH』の厳しいところです。
●フォローの達人
普段の平子は飄々としていて胡散臭い男ですが、いざ自分の仲間が苦しんでいるときには適切にフォローします。例えば、「破面篇」終了後に部下となった雛森桃を、精神的にサポートしました。
雛森は五番隊副隊長として上官の藍染を慕っていましたが、藍染の裏切りで胸を刺されて重体となります。現実を受け入れられず憔悴してしまう雛森でしたが、小説『BLEACH The Death Save The Strawberry』では、平子が雛森の職場復帰や業務量のコントロールなどを行ったことが語られています。
他にも浦原喜助が十二番隊隊長に着任したばかりのタイミングで、部下との関係に悩む浦原の相談に乗りました。その際の「上に立つ者は下の者の気持ちは汲んでも顔色は窺ったらあかん」というセリフは有名で、実社会でも役立つ考え方だと支持されています。
※本文一部を修正しました(11月24日10月50分)
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