『鬼滅の刃』風柱・不死川実弥ギャップ萌え5選 狂気の登場から、意外すぎる「さよなら」
涙を誘う、実弥の二面性
●大切な人との出会い・匡近
実弥は、お館様が柱合裁判の場に登場した際には、丁寧なあいさつを述べ、炭治郎と禰豆子についての説明を求めています。発する言葉は、その風貌に似合わず、非常に丁寧でしっかりしており、それを聞いた炭治郎が「知性も理性も全く無さそうだったのに すごいきちんと喋り出したぞ」と驚くほどでした。年齢の差もありますが、柱相手でも「KY発言」の多い炭治郎よりは、よっぽど礼節をわきまえている印象です。
しかし実弥は、初めからお館様に対して、敬う態度を取っていたわけではありません。そこに至るには、実弥が出会った、ひとりの青年の存在がありました。
母を殺してしまった後、日輪刀も持たず、自力で鬼と戦っていた実弥は、粂野匡近(くめの・まさちか)という鬼殺隊士と出会います。匡近に育手を紹介してもらい、その後、ともに当時の下弦の壱を倒したのです。しかし、匡近はその戦いで命を落としたため、実弥だけが柱になりましたが、初めて参加した柱合会議で、「いい御身分だなァ おい テメェ 産屋敷様よォ」と毒づき、悪態をつく始末。他の柱たちがとがめても構わない実弥でしたが、お館様の言葉に優しかった母を思い出し、渡された匡近の遺書の「大切な人が笑顔で天寿を全うするその日まで幸せに暮らせるよう 決してその命が理不尽に脅かされることがないよう願う」という文を読んで、自分の大切な弟・玄弥を思い出していました。
立ち尽くし、目に涙をためる実弥の姿は、粗暴な態度の裏にある彼の純粋さを思わせ、読者の胸を熱くさせます……。
●大切な弟・玄弥
産屋敷邸に現れ、お館様の命を奪った無惨に、実弥は怒りをあらわに、「テメェかァアア お館様にィイ 何しやがったァアー!!!」と、狂犬ぶり最大出力で叫びます。その後、鬼殺隊士たちが移された無限城で実弥が登場するのは弟・玄弥が上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)に殺されようとしているピンチの時でした。
それまで、徹底的に玄弥に冷たく接し、自分に弟はいないと言い続けていた実弥でしたが、それは、危険のない一般社会で妻や子に囲まれて幸せに暮らして欲しいと願う愛情の裏返しだったのです。玄弥が鬼喰いまでしていることを知るや、ためらいなく目をつぶして再起不能にしようとするといった容赦ない対応だったのも、愛情ゆえのこと。そんな実弥が、「…テメェは本当にどうしようもねぇ弟だぜぇ」と弟をかばう姿には、優しさと強さ、そして悲しみも感じられ、いい男ぶりにゾクゾクします。
原作マンガで読んでいると、この後に第167話の扉が来るのですが、これは反則的に、すさまじくハートをわしづかみにしてきます。薄く微笑みながら、野良であろう犬に自分の食事を分け与えてやっている実弥の姿が描かれており、何度見ても、ほっこりしつつ、鼻の奥がツーンとしてしまいます。
上弦の壱との戦いで意識を失ってなお戦い続けた実弥が正気を取り戻した時、信じがたい光景を目にすることになります。絶命寸前の弟、玄弥に「大丈夫だ 何とかしてやる 兄ちゃんがどうにかしてやる」と、「兄ちゃん」として向き合う実弥。やっと兄弟が素直な思いを伝え合えたのが死の直前とは悲しすぎます。実弥の手から、また大切な人の命が零れ落ちていってしまいました。
●すべてが終わって…
無惨との戦いが終わり、蝶屋敷で禰豆子とバッタリ出会った実弥は、思春期の少年のように目を逸らし、言葉をにごしますが、屈託のない禰豆子明るさと笑顔についに心を開きます。そして、禰豆子の言葉に弟・玄弥を思い出し、禰豆子の頭をなでるのでした。
ちょっとすねたような謝り方も、寂しさと愛おしさを含む禰豆子を見る目も、傷を負った大きな手も、すべてがキュンキュンポイントになっています。
死にかけた実弥があの世の手前で自分が手にかけた母親に出会い、「お袋 背負って地獄を歩くよ」と笑顔で母の手を取るシーンや、最後の最後の戦いの時に「スウ スウ」寝ている姿もグッときますね。あなたの心に残る実弥のギャップ萌えはどんなシーンですか?
※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
(山田晃子)