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もっと評価されるべき? オリジナルアニメ映画の良作4選。たった1人で作り上げたSFも

2021年10月に公開された映画『アイの歌声を聴かせて』の口コミが拡散し、興行収入を伸ばしています。同作は『イヴの時間』『サカサマのパテマ』などを手がけた吉浦康裕監督によるオリジナルアニメ。今回は、そんな『アイの歌声を聴かせて』と同じく劇場用オリジナルアニメとして作られた、近年の良作を4つ紹介します。

「オリジナルはつまらない」なんてことはない!

アニメ映画『アイの歌声を聴かせて』ビジュアル (C)吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会
アニメ映画『アイの歌声を聴かせて』ビジュアル (C)吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会

 アニメ映画『アイの歌声を聴かせて』が2021年10月29日に公開されました。本作は主人公であるポンコツAIのシオンと、彼女が試験として送り込まれた高校のクラスメイトたちによる物語。土屋太鳳さん演じる天真爛漫なシオンを中心としたミュージカルシーンや、近未来SF的な要素も盛り込まれたエンターテイメント作品です。

 そんな『アイうた』は、公開から1か月ほど経った現在はSNSを中心に話題となり、映画レビューサイトでも軒並み高評価を得ています。しかし、公開当初はあまり動員が芳しくなく、「映画のオリジナルアニメは、有名監督のもの以外は厳しいのでは」という声も見られました。

 確かに2021年のアニメ映画のヒット作を振り返ると『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』や『名探偵コナン 緋色の弾丸』などは有名シリーズの続編ですし、『竜とそばかすの姫』も細田守という人気監督の新作でした。とはいえ、もちろんオリジナルの良作アニメ映画も近年にはたくさん存在します。今回はそのなかから厳選して4作品をご紹介します。

●『サイダーのように言葉が湧き上がる』(2021年7月22日公開)

アニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』ビジュアル (C)フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会
アニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』ビジュアル (C)フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会

『サイダーのように言葉が湧き上がる』で描かれるのは、郊外のショッピングモールで出会った、コミュニケーションが苦手な俳句少年とコンプレックスをマスクで隠す少女ふたりの青春模様。わたせせいぞうを彷彿させるポップなビジュアルと巧みな演出で、ストレートなボーイ・ミーツ・ガールストーリーが紡がれます。

 当初は2020年5月の公開予定でしたがコロナ禍の影響で延期となり、2021年の、作品の舞台と同じ夏にようやく公開となりました。その結果、作中における花火のように、今年の夏を鮮やかに彩ったのです。本作はNetflixで11月22日に配信が始まったばかり。もちろん冬に観ても、サイダーのように爽やかな口当たりは変わりません。

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