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『鬼滅の刃 遊郭編』第9話見どころ かまぼこ隊の活躍から、絶望へ叩き落される落差が凄い!

2021年12月にスタートした、アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』。「無限列車編」を経て、ついにスタートした新たなストーリー。その第9話であり、1月30日に放送された「上弦の鬼を倒したら」をレビューします。

急展開すぎるシーンのオンパレードに手に汗握る

TVアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』第2弾キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
TVアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』第2弾キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 2022年1月30日、TVアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』の第9話「上弦の鬼を倒したら」が放送されました。前話の後を引く展開からの、突如はじまった宇髄の回想、そしてかまぼこ隊の躍進。第9話はとめどなくシーンが変わる今回は、静と動の落差がものすごく激しい回でした。

●回想と戦闘が織りなす、原作屈指の名シーン

 第9話冒頭のシーンは、筆者のなかで「『鬼滅の刃』屈指の名シーン」のひとつであったため、放送前からワクワクのボルテージが天井知らずに上がっていました。

 雛鶴のくないにより、上弦の陸・妓夫太郎(ぎゅうたろう)の猛攻が一瞬止まります。頸を斬る絶好のチャンスと思いきや、敵の反撃により雛鶴がピンチに。その瞬間によぎったのは、音柱・宇髄天元と3人の妻の回想でした。

 上弦の鬼を倒したら、普通の人として生きよう。今まで殺めた命は帰らないけれど、けじめはつけなくては。たとえ、ここにいる4人の誰かがいなかったとしても、恨みっこなしです。

 鬼殺隊は、鬼を倒すために生まれた組織です。素性も性格も個性豊かなメンバーがいるなかで、鬼ではなく人に手をかけてきた存在は、おそらく宇髄たちだけではないでしょうか。そんな自分たちへの負い目と、戦いの先で雛鶴が夢見てる人としての生き方が、切なく描写されています。

 しかも、アニメオリジナルの回想まで加わるから心にくい。宇髄の兄弟への思い、妻たちとの心優しいふれあいで、彼らへの切ない心情が一層増してしまいました。

 そんな回想とは裏腹に、刻一刻と迫る絶望の瞬間。そこに割って入ったのが炭治郎というのが、またグッと胸に来ます。彼は原作のなかで、「弱いものが予想外の動きをすれば、戦況を変えられる」という考えを何度も口にします。

 弱さゆえに、多くの命を助けられなかった炭治郎。それでも前を向く、彼の信念が現れたシーンです。さらにそこへ、妻を助けてくれた宇髄の感謝の言葉……。冒頭でどれだけ心をゆさぶってくるんでしょう。

●かまぼこ隊の躍動! ……からの絶望という落差

 後半の戦闘シーンは、かまぼこ隊の成長がいたるところで爆発していました。アニメではじめて聞くのでは? というイケボで、仲間を鼓舞しながら戦い続ける善逸。伊之助が善逸の活躍に「どしたぁ!?」と叫ぶシーンは、まさに視聴者を代弁するひと言だったと思います。

 そんな伊之助も、仲間たちの傷を気遣いながら、自分の役目をまっとうしようと必死に戦います。まさか彼が、煉獄さんとの別れを思い出し奮起するなんて。こういう描写を入れてくるので、アニメはずるいのです……。

 これだけの名シーンが一気にやってきたあとで、最後に全員を絶望へ突き落としていくという……。ここからはまたさらに熱いドラマが展開されるので、首を長くして第10話を待つとしましょう。

※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

(サトートモロー)

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