『カイジ』スピンオフでわかった利根川たちの意外な一面 実はイタいブログやってた…?
借金まみれとは思えない「デキる男」大槻

●大槻班長は多芸多才で大人の遊び方を心得た粋な人
『賭博破戒録』作中で、カイジが帝愛の債務者たちが働かされる地下で出会った、E班班長の大槻太郎は、スピンオフ『1日外出録ハンチョウ』で悠々自適な日々を送っています。毎回「チンチロ」でペリカを儲けまくっている大槻は、24時間だけの外出券を何度も使って、地下労働者ながらも小料理屋でボトルキープをするなどグルメライフを満喫。部下の沼川、石和や黒服の宮本ともいろんな場所に行っています。
そんな大槻は話が進むにつれて、元バスケ部で今でも結構得意、エリック・クラプトンの「いとしのレイラ」の弾き語りがめちゃくちゃうまい、マンガマニアでどんな話にも対応できるほど博識、グルメなだけでなく自分で絶品のカレーや鍋を作るなど料理上手、初対面の人たちと飲んでも大盛り上がりできるコミュニケーション能力、店の問題点を的確に分析できる洞察力(口には出しませんが)などなど、優秀な人物であることが次々と明らかになってきました。もちろん地下の労働者から、あの手この手で搾取する「悪魔的商才」も健在です。
本編では「シャバ」にいた時は「世の中には利用する側とされる側しかいない」という事実に気づいていなかったことを後悔していた大槻。才能はあるものの、多趣味すぎて浪費がたたり、多重債務になったのでしょうか。
それ以外にも幕末好きであること、昔は営業マンで学生時代はロン毛だったこと、陽子ちゃんという女の子が好きだったことなど、彼のいろんな人となりが楽しめるスピンオフです。
●一条聖也の人となりはまだまだこれから? 成長しても接待は下手
『賭博破戒録』でカイジが大苦戦する、悪魔のパチンコ台「沼」を生み出した帝愛の裏カジノ店長、一条聖也。そんな彼の若かりし頃を描いたスピンオフが、2021年1月から連載が始まった『上京生活録イチジョウ』です。大学には進学せず、後輩の村上と岡山から上京してビッグになることを目指す、一条の奮闘記が描かれます。
まだ1年ちょっとの連載のため、そこまで一条のキャラが明らかになっていない……というより未熟な若者時代の話なので、本編での狡猾さや切れ者ぶりはそこまで見られません。サラサラの髪の毛のケアに相当気を遣っていることや、Twitterで意識高い系の発言をしていること、ゲームにハマりやすいこと、自己嫌悪に陥るとなかなか抜け出せないこと、家庭環境のせいでプレゼントスキルが低めであることなどはわかっています。
また、音楽スキルはないですが、一条の脳内に「名曲」のメロディラインが降ってきて村上と曲を作る(そのあと持て余す)エピソードもあり、利根川や大槻ほどではないにせよセンスはあるのかもしれません。「一条がどう才能を開花させて帝愛に入るのか」が今後の見どころです。
ちなみに一条は『中間管理録トネガワ』にも登場しました。裏カジノで「接待」として「沼」を打つことになった利根川は、待ち受けていた一条に「今回は敢えて手を抜かない」と宣戦布告され、「そうでなくてはつまらん……!」と意気込むのですが……。
一条は利根川が驚異的強運の持ち主に見えるように露骨な設定をしており、利根川からは「馬鹿にされている気分……」「接待が下手……」とあきれられてしまうのでした。成長した一条も、接待にまでは「悪魔的才能」が発揮されないようです。
(マグミクス編集部)