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いま読み返したい、00年代「ジャンプ」打ち切り作品3選 「最短8話」の伝説も

「週刊少年ジャンプ」のアンケート主義は有名です。人気が出なければ即打ち切り候補で、巻末に……。そんなジャンプでは2000年代において、伝説的ともいえる打ち切りマンガが数多く登場しました。

考えさせられる「巻末コメント」を残して…

10週で打ち切りになっただけでなく、その巻末コメントも話題になった『ロケットでつきぬけろ!』(集英社)
10週で打ち切りになっただけでなく、その巻末コメントも話題になった『ロケットでつきぬけろ!』(集英社)

 アニメの『平家物語』が注目されていますが、「週刊少年ジャンプ」もまた平家に負けず劣らずの「諸行無常」ぶりを体現しているかもしれません。

 掲載作品数は限られており、新連載が始まれば、終わりを迎える作品も当然存在します。たとえそれが「打ち切り」という形であっても。

 こと2021年の「ジャンプ」本誌においては、そのような憂き目にあった作品が多かったようです。そんなジャンプは20年前の2000年代でも、一切容赦がありませんでした……。

●「打ち切り」最速記録を更新……『チャゲチャ』

 伝説の打ち切り作品として語り継がれるのが、『ボボボーボ・ボーボボ』でギャグマンガシーンの頂点に登りつめた鬼才にして奇才、澤井啓夫先生の『チャゲチャ』です。「よい子の低学年向けヤンキー漫画」といいつつ、1話から校舎がぶっ壊れる荒唐無稽のふざけ果てたヤンキーマンガだった本作は、2008年9月に連載が始まると、11月に終了。全8話という、ジャンプ史上最速終了という記録を樹立しました。なお、澤井先生は現在、主な発表の場所を「少年ジャンプ+」に移しています。

●現在の先生の活動が気になる……『わっしょい!わじマニア』

『チャゲチャ』と同じく00年代末の2009年に連載されたのが、わじまさとし先生による『わっしょい!わじマニア』です。「ギャグ界の救世主が世界をほろぼす!」という、なかなか大仰な煽りとともに連載開始された本作でしたが、惜しくも20話で終了となってしまいました。

 ギャグの密度とセリフのテンポ感は時代を先取りしていたような気もするだけに、残念でなりません。わじま先生の次回作に大いに期待したいところです。しかし、肝心の先生自身が2010年に「少年ジャンプNEXT!」にて『絶叫!ホラーくん』を発表して以降、表立った活動をされていないようなので、ぜひとも復帰を願いたいです。

●巻末コメントにも注目!『ロケットでつきぬけろ!』

 2000年代の幕開けとともに、まさにロケットのように突き抜けていったのが、キユ先生の連載デビュー作品『ロケットでつきぬけろ!』です。カートレースを題材に、スタイリッシュなコマ割りや、思い切りの良い展開、そして随所に挿入される「Live Like Rocket!」というメッセージが実に個性的だった本作ですが、10週で終了となってしまいました。

 さて、本作の話題性に拍車をかけたのが、毎週「ジャンプ」巻末に掲載されるキユ先生のひとことコメントです。こと最終回に寄せた「痛みを知らない子供が嫌い。心をなくした大人が嫌い。優しい漫画が好き。バイバイ」とのコメントは、今なお「名文」として語り継がれています。

 00年代だと、他にも『私立ポセイドン学園高等部』(著:大江慎一郎)、また『重臣 猪狩虎次郎』(著:つの丸)などが挙げられるでしょうか。この時期の「ジャンプ」におけるギャグマンガの定着が、いかに難しかったがうかがい知れます。

 令和の現在、「ジャンプ」での生き残りの厳しさこそ変わりませんが、Web媒体が増えたことによって、漫画家の先生たちの活動場所が複数用意されていることは、マンガ界において喜ばしいことなのかもしれません。

(片野)

【画像】「ジャンプ」の語り草になっている(?)打ち切り作品たち(5枚)

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