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『ファーストガンダム』と『オリジン』は異なる物語…大きな違いは「キャラの性格」?

キャラの性格を強調することで物語がより明快に

人類史上初のモビルスーツ戦のなか、シャアの冷徹さとランバ・ラルの良心が際立つ、アニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV』DVD(バンダイビジュアル)
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『ファースト』に比べて、より悪役としてのテイストが強くなったのがシャア・アズナブルとキシリア・ザビです。ふたりの行動によって『オリジン』の「一年戦争」が始まったと言っても過言でないほどの暗躍をしていました。

 シャアが父であるジオン・ズム・ダイクンのかたき討ちのため、ザビ家に復讐しようとする点は『ファースト』も『オリジン』も変わりませんが、そのために周りの人間を利用することはもちろん、無関係の人を殺害することも平然と行います。

『ファースト』では時には失敗をして自嘲気味に笑うようなシーンもありましたが、『オリジン』のシャアは常に冷静沈着、すべて完璧にこなすように描かれていました。アムロに向ける憎しみも『ファースト』以上です。筆者的には将来はクワトロ・バジーナというより、パプテマス・シロッコにでもなりそうな性格の持ち主だと感じました。

 同じくキシリアも作品の黒幕を一手に引き受けたような性格で、多くの民間人ごとシャアの暗殺を企てたり、兄であるサスロ・ザビ暗殺が疑われたりするなど、より冷酷なイメージがありました。『ファースト』では父のデギン・ソド・ザビを殺したことでかたき討ちのために兄のギレン・ザビを射殺したようにも見えましたが、『オリジン』では自分の野心からデギンの乗ったグレート・デギンの位置をギレンにリークしています。

 このように、『オリジン』ではシャアとキシリアの悪行が、より大きく描かれていました。その逆に、敵ながら人間的魅力を前面に出して演出されたキャラもいます。

 そのひとりがドズル・ザビ。『ファースト』でも粗暴に見えながらも人間的な魅力を持った指揮官として描かれていましたが、『オリジン』では情け深い面も多く描かれ、ザビ家の良心とも言える立場がより強く描かれていました。

 また、『ファースト』ではわかりづらかった優れた指揮官、武人としての部分が強調されています。自身のいた宇宙要塞ソロモンの陥落も、『ファースト』ではプライドのために救援要請を出さなかったことから、ギレンとキシリアの政治的策動で増援が遅れたという展開に変わっていました。

『オリジン』で出番が増え、より人間的な部分が掘り下げられたキャラクターと言えば、ランバ・ラルもそうです。『ファースト』でもあったホワイトベースとの戦いではそれほど出番は多く増えてはいませんが、一年戦争以前の物語では主役のひとりと言っても過言ではないほどの活躍を見せていました。

 ダイクンの死後、ザビ家との政争に敗れて没落していくラル家。その不遇をドズルに救われるも、大量虐殺であるコロニー落としに反対して軍から離れる展開は、『ファースト』で描かれることのなかったパズルのピースのようで秀逸な物語でした。

 前述したドズルとともにランバ・ラルはジオン軍の良心とも言える存在だったことで、シャアとキシリアの暗躍がより際立ったのかもしれません。このように『オリジン』では『ファースト』以上にキャラの演出が濃くなっている印象があります。敵役はより悪役に、好感の持てる敵キャラはより人間味あふれる性格に、そういった点ではよりわかりやすいドラマになっているのではないでしょうか。

(加々美利治)

【画像】『ドアンの島』『ORIGIN』それぞれの主役機「ザク」を比較(6枚)

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