『東京リベンジャーズ』フジ系で初放映 仲村トオル、小栗旬らヤンキー映画の系譜とは?
主演俳優がイメージを一新した『クローズZERO』

時代は「昭和」から「平成」と変わり、ドドーンと不良(ヤンキー)文化を復活させたのが、東宝映画『クローズZERO』(2007年)です。高橋ヒロシ氏のバイブル的人気を誇るマンガ『クローズ』の前日譚として、アクション演出で定評のある三池崇史監督が映画化しています。
小栗旬さんは『花より男子』(TBS系)、山田孝之さんは『白夜行』(TBS系)などですでに人気を得ていましたが、不良の巣窟・鈴蘭男子高校を舞台にした『クローズZERO』では敵対する不良グループのトップを演じ、どちらもイメージを大きく変えることに成功しました。小栗さんと山田さんは、若手俳優たちのリーダー格としても注目されるようになります。
お笑い芸人の品川祐さんが自身の小説を原作に、初監督を務めたのは角川映画『ドロップ』(2009年)です。成宮寛貴さん、水嶋ヒロさんのダブル主演作でした。ヤンキー映画がひとつ成功すると、同ジャンルの作品が次々と製作されるのも、ヤンキー映画の特徴でしょう。
ヤンキー文化を相対化して描くようになった現代
令和時代になっても、ヤンキー映画はまだまだ健在です。西森博之氏が1988年~1997年に連載したマンガを実写化した『今日から俺は!! 劇場版』(2020年)は、福田雄一監督が笑いのなかでヤンキー文化を描いています。それに対し、2017年からマンガ連載が始まった和久井健氏原作の『東京リベンジャーズ』は、主人公が過去にタイムリープするという設定を使うことで、ヤンキー文化を甦らせました。
暴走族の総長・マイキー(吉沢亮)や副総長のドラケン(山田裕貴)は圧倒的なケンカの強さを誇っていますが、冴えないフリーターのタケミチ(北村匠海)は不良ぶっていた学生時代にタイムリープしても、やはり中身は冴えないままです。『BE-BOP-HIGHSCOOL』や『クローズZERO』の主人公たちにのような、腕っぷしの強さとは無縁の存在です。そんなヘタレ男子のタケミチが、歴史をどう変えていくのかが『東京リベンジャーズ』の見どころとなっています。
これからの活躍が期待される若手俳優たちが、熱い演技で火花を散らし、どれだけキレのあるケンカファイトを見せられかを競い合うのがヤンキー映画の醍醐味です。また、ヤンキーイメージのまるでないキャストが、ヤンキーキャラになり切るというギャップの面白さもあります。
SF的設定を持ち込んだ『東京リベンジャーズ』が成功したように、これからもさまざまな手法を使って、不良マンガやヤンキー映画は生まれ続けるのではないでしょうか。想像以上に多くの人が、ヤンキーカルチャーを愛していることは確かなようです。
(長野辰次)




