「コレジャナイ」実写化でも一矢報いた? 映画で再現度が高かったキャラ3選
人気マンガの実写映画は、オリジナルキャラクターや本編にはない恋愛要素の追加など「こんなはずじゃないのに」と、原作ファンの間で議論になるケースも少なくありません。キャラのビジュアルも、原作とイメージが違うと言われることもしばしばあります。その一方で、キャラクターの再現度が高いキャストがいると「このキャラは良かった」と評価されることも……。
原作者のお墨つき!本郷奏多版エンヴィー

国内外を問わず、ヒットしたマンガはやがてメディアミックスのひとつとして実写映画化されることも少なくありません。しかし、2次元のキャラクターを実写で再現する技術、劇場映画1本分の尺に落とし込むためのストーリー改変は、原作ファンの間で議論が起こることもあります。
しかし、一般的に「失敗した実写」と言われる作品でも、「この人は良かった!」と、俳優の演技力、再現度で高い評価を得ているキャラクターも存在します。
●ビジュアルも声も再現度高過ぎ!『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』虹村億泰役・新田真剣佑
「週刊少年ジャンプ」で連載されていた人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部を実写化した『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は、「ジョジョ」独特のセリフ回しやスタンド能力の再現は難しかったのか、公開後も賛否が生まれていました。「第一章」と銘打っているものの、現時点でも続編制作の発表はないため、「打ち切りになった」とも言われています。
そんな実写版『ジョジョ』ですが、主人公・東方仗助と熱戦を繰り広げる虹村兄弟の弟・億泰の再現度は高かったと評価する声は少なくありません。演じた新田真剣佑さんは、若手イケメン俳優として注目される存在でした。しかし同作では、後ろ髪の飛び出した部分以外は全部地毛で再現した独特なヘアスタイルで目つきの鋭い億泰になりきり、それまでのイメージを大きくくつがえしています。
実際に映画を観た人の間では「もともとの顔は似てないはずなのに、どこから見ても億泰」と真剣佑さん演じる億泰の再現度に驚く声も見られました。また、アニメ版で億泰を演じていた高木渉さんの声にも似せていたことから、「声も億泰だった」とアニメ版へのリスペクトを感じる人も多かったようです。
●美麗なビジュアルのキャラクターも違和感なし!『BLEACH』朽木白哉役・MIYAVI
死神代行として活動することになってしまった高校生・黒崎一護の活躍を描いたマンガ『BLEACH』は、TVアニメ化、ゲーム化も果たした人気作です。
当初はハリウッドでの実写映画化が計画されるも中止となり、あらためて邦画として制作されています。しかし洗練されたファッションやセリフ回し、キャラクターデザインが人気の作品だからこそ、実写化が発表されたときには懐疑的になるファンも見られました。
実際にキャラクタービジュアルが少しずつ解禁されたとき、3次元で再現された独特な髪型や髪色のキャラクターに「大丈夫?」と不安の声もありましたが、一護の前に立ちはだかる護廷十三隊六番隊隊長・朽木白哉を演じるMIYAVIさんのビジュアルに関しては、「完成度高すぎてちょっと絶句」「顔面パーフェクトに似ています」と不安が払拭された人もいたようです。
「サムライギタリスト」の異名を持ち、世界的人気を誇るミュージシャンであるMIYAVIさんは、実写版『BLEACH』以外に、『マレフィセント2』『キングコング 髑髏島の巨神』といったハリウッド作品にも出演しています。どこか浮世離れした天才・朽木白哉を演じられたのも、MIYAVIさんがもともと持つ唯一無二の存在感あってこそでしょう。
●原作者も認めた!『鋼の錬金術師』エンヴィー役・本郷奏多
失った体を取り戻すため、旅を続ける錬金術師の兄弟を描いたダークファンタジー『鋼の錬金術師』。国内外で高い人気を誇る同作の実写化作品の制作が決定した際には、内容を不安視する声も少なくありませんでした。
しかしキャスト情報が解禁されていくなかで、注目されたのが敵キャラのホムンクルスのひとり・エンヴィーを本郷奏多さんが演じることです。『鋼の錬金術師』以前にもさまざまなマンガの実写化作品において、原作へのリスペクトを欠かさない役作りが評価されていたため、「本郷さんが出演するなら観ようかな」と鑑賞を決める声もありました。
エンヴィーは中世的な見た目で露出度の高い服装が特徴のキャラですが、本郷さんは髪型や服装も含め、完璧にエンヴィーを再現。話し方や仕草もアニメのエンヴィーに寄せており、「似ているところしかない」と絶賛の声が相次ぎました。
その後制作された「完結編」の完成披露試写会にメッセージを寄せた原作者・荒川弘先生も、「さらに板についていて、原作以上に悪そうで、最近朝ドラでも拝見していたので役者としてのギャップにもやられてしまいますね」と、再現度の高さを評価していました。ファンだけでなく、原作者からも好評なのは、本郷さんの演技力や原作への理解が高かったからでしょう。
(田中泉)