月刊、青年誌に移籍して「進化」した人気マンガ 作者「メリット多い」
作者自身が語る月刊連載移行のメリットとは?

●『UQ HOLDER!』
現在は参議院議員としても活躍している、赤松健先生の『UQ HOLDER!』も週刊連載から月刊連載に移った作品のひとつです。『UQ HOLDER!』は、同じく赤松先生が描いた『魔法先生ネギま!』の未来の世界を舞台に、不死者となった主人公・刀太の冒険が描かれます。赤松先生が得意とするラブコメ要素はもちろんですが、バトルファンタジーとしての迫力も満載で、月刊連載でページ数が多くなったことで、能力者同士の細かい心理戦も読みごたえ抜群です。
そして、移籍の理由については、赤松先生が自身のツイッターで「もう私も48才ですし(^^;)、23年間もマガジンでやってきて、体力的には相当厳しくなってきました。そろそろ後進に席を譲り、今後は6割くらいの仕事量で、少し余裕を持って作家活動をやっていければと思います。」と、マンガ界全体も考えた理由を語っていました。
●『ジョジョの奇妙な冒険』
最後は言わずと知れた名作『ジョジョの奇妙な冒険』(著:荒木飛呂彦)です。1986年から2004年までは「週刊少年ジャンプ」で連載され、第7部「スティール・ボール・ラン」連載中の2005年からは、月刊マンガ雑誌である「ウルトラジャンプ」に移籍して連載されています。もともと独創的世界観と芸術的な絵で大きな支持を得ていましたが、連載方式が月刊になったことによるメリットを作者の荒木飛呂彦先生自身が過去に語っています。
2006年に文化庁メディア芸術祭10周年記念企画の「日本のメディア芸術100選」に選ばれた後の2008年のインタビューによると、荒木先生は「週刊連載というのは、短いページのなかで起承転結の妙を読者にみせていかなければならない」「(月刊連載で)ページが多いと、起承転結を2回いれる余裕がうまれ、こまかい心理描写もできる」と両者の違いを語っています。
さらに、掲載誌が変わり、読者の年齢層が上がったことを受けて「40歳をこえて、倫理性にまつわる表現も描かなくちゃダメだろう、と思った」「ぼくもターゲットを若い読者だけに限定していたら、作品が窮屈になるんじゃないかな、と思った」と、自身の意識の変化についても語っています。事実、『ジョジョ』の7部、8部は少年誌では描けない過激シーンも増えていきました。
作品・作者によって、それぞれ合っている連載方式は変わって来ると思いますが、今ではネットを通じて独自に作品を発表する人びとも増えているため、今後はさらに新たな連載方式が生まれて来るかもしれません。
(吉原あさお)




