友蔵・心の俳句、藤木の卑怯キャラ…『ちびまる子ちゃん』のド定番ネタのルーツとは?
1990年からTVアニメ放送が始まり、30年以上も国民的アニメとしてお茶の間を楽しませている『ちびまる子ちゃん』。今回は、長きにわたる放送のなかで培われた「このキャラといえばこの展開」という「超定番ネタ」の初回放送はいつなのかを振り返ります。
友蔵、伝説の一句

1986年に「りぼん」(集英社)で連載がスタートした『ちびまる子ちゃん』。1990年からはTVアニメ放送が始まり、30年以上も国民的アニメとしてお茶の間を楽しませています。
そして、その長きにわたる放送のなかでは「このキャラといえばこの展開」という伝統パターンが数多く存在します。今回は作品のなかでおなじみとなっている「超定番ネタ」の最初はいつだったのかを振り返ります。
●友蔵の「心の俳句」
まずは、まる子の祖父・友蔵の定番ネタです。友蔵といえば、まる子のどんなおバカな妄想にもつきあってくれる一番の理解者ですが、孫の言動にとくに心が動いたときに披露するのが「友蔵 心の俳句」です。
定番のなかの定番といっていいネタですが、第1期アニメを見返したところ、初めての俳句が確認されたのは、1991年11月17日放送の第97話「まる子みんなにばかにされるの巻」でした。
キュリー夫人に憧れたまる子は、家にあった顕微鏡を使っていろんなものを観察しようとして、まず始めに見たのが自分のフケでした。意外とキレイだったフケに感動し、友蔵にも「おじいちゃん、大発見」と喜んで見せます。
友蔵はわざわざフケを見せられたことに一瞬困惑しますが、そこは優しいおじいちゃんです。「まる子…フケも大切なもんじゃな」と優しく語りかけると、心のなかで「年老いて 孫のフケさへ 美しきかな 友蔵 心の俳句」と詠むのでした。
そして、立て続けにまる子が部屋のホコリも観察しようとするのを見て、「ホコリさへ きれいかもよと 我は思はむ」と心の俳句の第2弾も飛び出しました。
5・7・5のなかに孫への愛、哀愁、困惑などの感情が見事に入った友蔵の俳句シリーズは、ここから30年以上も続いています。
●丸尾くんの「選挙への情熱」
続いては、まる子のクラスメイトの丸尾くんです。丸尾くんと言えば学級委員長の座に強いこだわりを持つキャラで、その情熱は、クラス委員の選挙が近づくと、勝手に人気者をライバル視するほどです。そんな丸尾くんがアニメで初めてその牙を向けたのが、まる子でした。
1990年1月14日放送の第2話「まるちゃん目覚まし時計を買うの巻」で、まる子が朝の通学でクラス1番乗りを果たして上機嫌になっていたところ、2番目にやって来た丸尾くんは「あなたがこんな時間から学校にいるなんて、もしや学校に宿泊したのでは」と疑います。
そしてさらに「もしやあなたは3学期の学級委員の座をねらっているんじゃ。ズバリそうでしょう!」と噛みつきました。丸尾くんは、アニメ放送の第2回目からしっかり丸尾くんでした。